近年はアメリカのミレニアル世代を中心にFIREムーブメントが流行しており、日本でもFIRE達成者が続々と現れるようになりました。
FIREにも様々な種類がありますが、最も多いタイプが本記事で紹介する「サイドFIRE」ではないでしょうか。
そこで、「サイドFIRE」に関して以下のような疑問を抱かれている方も多いと思います。
- サイドFIREってどういうライフスタイル?
- サイドFIREにはどんなメリットがあるの?
- サイドFIREを実現するにはいくら必要?
上記のような悩みを解決するために、本記事ではサイドFIREの特徴やメリット、サイドFIREを実現するために必要な金額の目安について紹介します。
私もサイドFIREのライフスタイルが理想的だと考えており、サイドFIREを目指して日々資産形成に取り組んでいます!
本記事を読んでいただければ、サイドFIREの魅力を理解できるようになります。
サイドFIREに興味・関心がある方にとって非常に役立つ記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
- サイドFIREとは、金融資産等から得られる不労所得で生活費の半分を賄い、残りを働いて稼ぐというセミリタイア型のFIRE。
- セミリタイア型なので、実現難易度(必要な金融資産)も相対的に低くなる。
- 「金融資産」「人的資本」「社会資本」のバランスが取れた理想的なライフスタイル。
サイドFIREとは -セミリタイア型のFIRE-
「サイドFIRE」とは、金融資産等から得られる不労所得で生活費の半分を賄い、残りを働いて稼ぐというセミリタイア型のFIREです。
従来の「FIRE」だと金融資産から得られる不労所得のみで生活費を賄うという考え方なので労働する必要は一切ない(完全リタイア型)のですが、「サイドFIRE」は生活費の半分くらいは労働で賄おうという考え方になっています(セミリタイア型)。
「FIRE」は金融資産のみで生活費を賄っているのに対し、「サイドFIRE」は金融資産と人的資本で相互に補完し合って生活費を賄っているというイメージですね。
「なんだ、結局労働が必要じゃん…」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、サイドFIREのように生活費の半分だけを労働で賄うということであれば、働き方の自由度はものすごく上がります。
例えば、これまで正社員としてプレッシャーを感じながら週5日働いていた人がサイドFIREに必要な金融資産を構築したとすると以下のような選択肢が生まれます。
- 週3日前後の労働形態に変える
- フリーランスとして週3日前後働く
- 週3日前後アルバイトとして好きな仕事をする
生活費が極端に高い人を除けば、生活費の半分を労働で賄うといったハードルはだいぶ低いはずです。
今は時代の流れもあって、週休3日、4日といった労働形態を採用している会社も増えてきていますし、IT技術の発展を受けてフリーランスとしても仕事が受けやすくなっています。
ちなみにサイドFIREの語源は「Side hustle(副業)」+「FIRE」からきています。
サイドFIREと同じセミリタイア型のライフスタイルに「バリスタFIRE」というのもありますが、こちらはパートタイム(労働)+資産収入(FIRE)の属性を指します。
サイドFIREの3つのメリット
サイドFIREには主に以下の3つのメリットがあります。
- 目標とすべき金融資産額が少なくなる
- 幸福の3つの資本のバランスが良い
- 市場暴落時に焦らない
①目標とすべき金融資産額が少なくなる
まず、サイドFIREのなんといっても大きな魅力の1つが目標とすべき金融資産額が圧倒的に少なくなるということです。
「FIREを目指して資産形成に取り組んでいるものの、目標金額が高すぎてFIRE実現までかなり時間がかかりそう…」といった方にとって希望の光と言えます。
一般的にはFIREを実現するための必要となる金額の目安は「年間生活費の25倍」とされています。
ただ、これは完全リタイアを前提としているため、生活費の半分を労働で稼ぐセミリタイア型のサイドFIREの場合は「年間生活費の12.5倍」で済むわけです。
例えば、年間の生活費が300万円の人がいるとしましょう。
この場合、それぞれのFIREを実現するために必要な金額の目安は以下のようになります。
- FIRE(完全リタイア)…7500万円(=300万円×25)
- サイドFIRE(セミリタイア)…3750万円(=300万円×12.5)
いかがでしょう。半分は労働しないといけないといえど、だいぶハードルが軽くなった感じがしませんか?
この例で言うと、3750万円の金融資産を4%で運用して150万円取り崩し、残りの150万円を労働で賄えればサイドFIREを実現できます。(税金等は考慮していない)
FIREの目標金額のハードルがグッと下がりましたし、年収150万円の仕事を探すのも難しくないと思います。
また、加えて重要なのは年間生活費が少なければ少ないほどリタイアするために必要な金融資産が少なくなるということです。
先ほどの例では、年間の生活費300万円で目標金額を算出しましたが、生活水準を下げて年間生活費を200万円にするとFIREの目標金額は5000万円、サイドFIREの目標金額は2500万円とさらにハードルがグッと下がります。
②幸福の3つの資本のバランスが良い
サイドFIREのメリット2つ目は幸福の3つの資本のバランスが良いということです。
幸福の3つの資本とは、橘玲さんの著書『幸福の資本論』で提唱されているもので、人は「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つを運用して”幸福”という富を得ているという考え方です。
- 金融資産…(不動産を含めた)財産
- 人的資本…働いてお金を稼ぐ能力
- 社会資本…家族や友達のネットワーク
金融資産とは、不動産を含めた財産のことで金融資産を運用することによって不労所得が得られます。
つまり、金融資産は自由の土台です。
人的資本とは、働いてお金を稼ぐ能力のことで、最も重要な富の源泉とも言えます。
そして、人的資本を運用しながら幸福を感じるために重要なのが、いかに自己実現に近づけるかということになります。
自己実現とはかけがえのない自分になるということで、結局のところ自分の好きなことで稼げた方がハッピーになれるということです。
社会資本とは、家族や友達などのネットワークのことで、幸福は社会資本からしか生まれないという特徴があります。
いくら金融資産と人的資本が充実していたとしても社会資本が充実していなければ、幸せには感じられないということです。
要はこの3つの資本のバランスが取れていると、自由でなりたい自分になれて、家族や友人、社会との関わりが持ててより幸福な人生を過ごせるというわけです。
かなり前置きが長くなってしまいましたが、サイドFIREは「金融資産」「人的資本」「社会資本」のバランスがめちゃくちゃ良いんです。
前述のとおり、必要な生活資金の半分を金融資産で賄い、残りの半分を労働(=人的資本)で賄うので、金融資産と人的資本のバランスが非常に良いです。
さらに労働時間も従来の週5日勤務と比較すると、余暇時間が生まれるので家族や友人と過ごせる時間(=社会資本)も長くなります。
このようにサイドFIREは幸福の3つの資本のバランスがめちゃくちゃいいというのが個人的に感じる最大の魅力です。
金融資産を運用して生活費の半分を捻出できるので、経済的な余裕が大きいですし、労働で稼ぐ金額も従来より少ないので、本当に自分が好きな仕事に打ち込めるようになります(=自己実現しやすくなる)。
そして、自分が大切にしている人により多くの時間を避けるようになるので、精神的にも豊かになれると思います。
完全リタイア型のFIREでは、リタイア後に社会との関わりを求めて労働に復帰するという人を多く見かけますが、これは金融資産が突出していて、人的資本がゼロといった状態だからではないでしょうか。
③市場暴落時に焦らない
また、市場暴落時に焦らないという点も非常に大きなメリットです。
FIREにしてもサイドFIREにしてもある程度の金融資産が必要になりますので、株式市場が暴落したとすると精神的に大きなダメージを負うことになるでしょう。
FIREは人的資本がゼロで、金融資産に大きく依存している状態ですので、株式市場が暴落した時はメンタル的なダメージが非常に大きいです。
しかし、サイドFIREであれば、人的資本がある程度残っているので、株式市場の暴落時でも多少の安心感があります。
FIREに関連する様々な書籍を読んでいても、FIRE実現後の相場の暴落に耐えることが精神的負担が大きいと書かれています。
『FIRE 最強の早期リタイア術』(クリスティー・シェン&ブライス・リャン)でもFIRE後のバックアッププランとしてサイドFIREがおすすめされています。
安心してリタイア後の生活を送るためにも、人的資本は常に磨き続けていた方がいいですね!
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サイドFIREを実現するにはいくら必要!?
では、サイドFIREを実現するにはいくら必要になるのでしょうか。
既にお伝えしてはいるのですが、目安となる金融資産は「年間生活費の12.5倍」です。
具体的に、年間生活費ごとに必要となる目安の金額をまとめてみましたので参考にしていただければと思います。
年間生活費 | 月間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
1,000,000円 | 83,333円 | 12,500,000円 |
2,000,000円 | 166,667円 | 25,000,000円 |
3,000,000円 | 250,000円 | 37,500,000円 |
4,000,000円 | 333,333円 | 50,000,000円 |
5,000,000円 | 416,667円 | 62,500,000円 |
6,000,000円 | 500,000円 | 75,000,000円 |
ポイントは年間生活費が下がれば、サイドFIREに必要な金額も相対的に下がるということです。
そして、自身の年間生活費が把握できていないと、サイドFIREに必要な金額の目安も算出できないので、まだ家計簿をつけていない人はこれを機に家計簿をつけ始めてはいかがでしょうか。
家計簿アプリは私も愛用しているマネーフォワードMEがおすすめです。
まとめ:サイドFIREは理想のライフスタイル
以上、サイドFIREの特徴やメリット、必要となる金額の目安を紹介させていただきました。
改めてまとめると、サイドFIREは「金融資産」「人的資本」「社会資本」のバランスが非常に取れた理想的なライフスタイルです。
生活費の半分を稼ぐための労働は必要になりますが、完全リタイア型のFIREと比べて実現難易度は大幅に下がりますし、公私ともに自分のやりたいことに取り組めるようになります。
ぜひ、サイドFIREに興味を持たれた方は一緒に資産形成を頑張っていきましょう!
最後にサイドFIREを目指す人におすすめの本を紹介しておきます。
著者 | ちー 30代前半でサイドFIRE。YouTubeチャンネル「ちーのはんぶん自由な日々」を運営 |
おすすめ ポイント | ・サイドFIREに特化した本 ・副業×ミニマルライフ×投資でゆるFIREするための考え方やノウハウが紹介 |
読んでほしい人 | ・サイドFIREを目指している人 ・ある程度の資産を築いて自分の好きなペースで仕事をしたい人 |
また、以下の記事ではFIREを目指すなら絶対に読んでおきたいおすすめのFIRE本を厳選して5冊紹介しておりますので、興味がある方は併せてご覧ください。
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