最近は日本でも”FIRE”について特集されることも多くなり、”FIRE”の認知度も非常に高くなってきました。
あなたも”FIRE”という生き方に興味を持っているのではないでしょうか。
そして、FIREに関する情報収集をしていると一度は”バリスタFIRE”という単語を見聞きしたことがあるかと思います。
FIREにも様々な種類があるみたいだけど、中でも「バリスタFIRE」ってどういうスタイルなの?
また、「バリスタFIRE」にはどういうメリットがあるの?
上記のような悩みを解決するために、本記事ではバリスタFIREの生き方やメリット、実現するために必要な金額について紹介していきます。
また、バリスタFIREと似ているサイドFIREとの違いについても説明しております。
バリスタFIREという単語を聞いて、どのようなFIREのスタイルなのか気になっていた方はぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
私もバリスタFIREと似たスタイルのサイドFIREを目指して資産形成に取り組んでいます!
- バリスタFIREとは、金融資産から得られる不労所得で生活費の半分を賄い、残りをパートタイムという形で賄うというライフスタイル。
- バリスタFIREの最大の目的は労働者としての権利を獲得することにある。
- バリスタFIREを実現するための必要金額の目安は年間生活費の12.5倍。
FIREには4種類のスタイルがある
まず、バリスタFIREについて説明する前にFIREには大きく分けて4種類のスタイルがあるということを覚えていただきたいです。
以下の図のように、「セミリタイア型」か「完全リタイア型」か、「実現難易度の高低」によってFIREは4つの種類に分類できます。
本記事で紹介する「バリスタFIRE」はセミリタイア型のFIREで、実現難易度も相対的に低くなっているのが特徴です。
バリスタFIREとは -セミリタイア型のFIRE-
「バリスタFIRE」とは、金融資産から得られる不労所得で生活費の半分を賄い、残りをパートタイムという形で働いて収入を得るというライフスタイルのことです。
一般的なFIREは労働を必要としない完全リタイア型であるのに対し、バリスタFIREは生活費の半分をパートタイムという形で賄うのでセミリタイア型と言われます。
ちなみに「バリスタFIRE」という名前はカフェのバリスタが由来となっているようです。
資産収入である程度の生活費を賄いながら、残りの必要な金額をカフェのバリスタのようにパートタイムとして稼いで日々生活していく…みたいなイメージだと分かりやすいのではないでしょうか。
完全リタイア型ではないとはいえ、これまで正社員として週5日働いていたところを自分の好きなアルバイトやパートタイムといった形態で週3日前後働くのではライフスタイルが全然違ってきます。
バリスタFIREとサイドFIREの違い
実は「バリスタFIRE」は米国発祥の用語で、日本だと「サイドFIRE」の方がよく名前を耳にするという人が多いと思います。
「バリスタFIRE」も「サイドFIRE」も同じセミリタイア型のFIREなのに、一体どこが違うのでしょうか。
それぞれの違いを分かりやすく説明すると、以下のように表せます。
- バリスタFIRE…パートタイム(労働)+資産収入(FIRE)
- サイドFIRE…サイドビジネス(副業)+資産収入(FIRE)
「バリスタFIRE」にしても「サイドFIRE」にしてもリタイア後に必要な生活費の不足分を人的資本(労働)で賄うという点では同じです。
ただ、働く形態が「バリスタFIRE」の場合はパートタイム労働なので比較的収入が安定し、「サイドFIRE」の場合はサイドビジネスを行うので属性はフリーランスに近く、収入が安定しにくいといった違いはあります。
また、日本では「バリスタFIRE」している人よりも「サイドFIRE」している人の方をよく見かけると思いますが、それは日本が健康保険制度などの皆保険制度が充実しているといった側面があることも知っておくと良いです。
先ほど「バリスタFIRE」は米国発祥の用語だとお伝えしましたが、米国ではFIREするために会社を辞めてしまうと日本のように皆保険制度が確立されていません。
なので、健康保険に加入する権利を得るためにFIRE後もパートタイマーとして勤務する人がいるといった背景があります。
そして、これには諸説ありますが、中でもパートタイマーとして健康保険に加入できる会社でスターバックスコーヒーが有名なので、「バリスタFIRE」といった名前がついているのではないでしょうか。
つまり、元の起源を辿っていくと、バリスタFIREの最大の目的は労働者としての権利を獲得することにあります。
スポンサーリンク
バリスタFIREの5つのメリット
では、バリスタFIREを実現するメリットについて考えてみましょう。
主に以下の5つのメリットが挙げられます。
- FIREの実現難易度が相対的に下がる
- 相場の暴落が起きても焦りにくい
- リタイア後の生活設計がしやすい
- 社会との関わりを持ち続けられる
- 社会保険の負担を抑えられる可能性がある
①FIREの実現難易度が相対的に下がる
バリスタFIREの最大の魅力と言えるのが、FIREの実現難易度が相対的に下がるということです。
FIREってすごく憧れを感じるライフスタイルですが、一方で「実現難易度高すぎない…?」って思ったことある方もいらっしゃると思います。
バリスタFIREの基本的な考え方は生活費の半分を資産収入で賄い、残りを労働で稼ぐというものなので、完全リタイア型のFIREと比べると必要な金額は1/2で済むのです。(その分、完全リタイアではありませんが…)
バリスタFIREに必要な金額の目安については後ほど紹介します。
②相場の暴落が起きても焦りにくい
様々なFIRE本でも触れられている部分でもありますが、著者の方々がFIREを実現した後に最も起きてほしくないと口を揃えて言っているのが相場の暴落です。
完全リタイア型のFIREだと、資産収入による金融資産だけに依存してしまっている状態なので、相場の暴落等が起こると気が気ではありません。
その点、セミリタイア型のバリスタFIREは生活費の半分を労働収入で賄っており、金融資産と人的資本のバランスが取れているので、相場の暴落が起きてもそこまで焦らなくて済みます。
③リタイア後の生活設計がしやすい
バリスタFIREの特徴的なメリットはリタイア後の生活設計がしやすいということにあります。
パートタイムでのお仕事は未経験OKな求人も非常に多く、働く時間も柔軟に選択することができ、何かあった場合は労働者として守られます。
そして、パートタイムは時給と労働時間によって収入が決まるため、自身の金融資産から得られる不労所得の金額と必要な生活費を把握していれば生活の設計は非常に立てやすいです。
サイドFIREはフリーランスに近い働き方になるため収入は不安定ですが、バリスタFIREの場合は時給で働くケースが多いので安定的に稼げるといったメリットがあります。
ただ、逆にいうと、サイドFIREは収入が青天井なのに対し、バリスタFIREの労働収入は大きく伸びにくいです。
ある程度の金融資産が貯まったあとに、会社を辞めてのんびり安定して生活していきたいという方にはバリスタFIREは非常に向いているといえます。
④社会との関わりを持ち続けられる
これもセミリタイア型のメリットになりますが、バリスタFIREはパートタイム労働といった形で働き続けるので今後も社会との関わりを持ち続けられます。
人間が幸福に生きるためには、社会との関わりは非常に大切です。
完全リタイアのFIREを達成した人でも、最初は完全リタイア生活を満喫しつつ、そのうち社会の役に立ちたいといった想いで結局ビジネスを立ち上げたりするケースもよく見かけます。
バリスタFIREの場合はある程度の金融資産がある状態で、自分が好きな形態で働けるので、精神的にもゆとりがあり、社会との関わりも持ち続けられるので非常にバランスのいいライフスタイルだと思っています。
⑤社会保険の負担を抑えられる可能性がある
これはセミリタイア後の働き方によりますが、社会保険の負担を抑えられるケースがあります。
これまではバリスタFIREの働き方を名前の由来に沿ってパートタイムやアルバイトを例に紹介していましたが、週2,3日会社員として働くという選択肢も考えられます。
特に今の時代は週休2日,3日の労働形態を採用している会社も増えてきているので追い風も吹いています。
社会保険に加入できる条件を満たして労働を行うと、健康保険料や厚生年金保険料は会社と折半となっているので、全額自己負担の健康保険や国民年金と比較すると負担がだいぶ軽くなります。
あくまで働き方によりますが、社会保険に加入ができればサイドFIREのようにフリーランスの形態で働く場合よりも保険料の負担を抑えられて、出産手当金や疾病手当金といった手当も受けられるようになります。
バリスタFIREを実現するにはいくら必要!?
では、バリスタFIREを実現するにはいくら必要になるのでしょうか。
先に結論からお伝えしておくと、目安となる必要金額は「年間生活費×12.5」となり、人によって金額は異なります。
完全リタイア型のFIREに必要な金額の目安が「年間生活費×25」となるので、セミリタイア型のバリスタFIREの場合はその半分で済むわけです。
具体的に、年間生活費ごとに必要となる目安の金額をまとめてみました。
年間生活費 | 月間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
1,000,000円 | 83,333円 | 12,500,000円 |
2,000,000円 | 166,667円 | 25,000,000円 |
3,000,000円 | 250,000円 | 37,500,000円 |
4,000,000円 | 333,333円 | 50,000,000円 |
5,000,000円 | 416,667円 | 62,500,000円 |
6,000,000円 | 500,000円 | 75,000,000円 |
ポイントは年間生活費が下がれば、バリスタFIREに必要な金額も相対的に下がるということです。
そして、自身の年間生活費が把握できていないと、バリスタFIREに必要な金額の目安も算出できないので、まだ家計簿をつけていない人はこれを機に家計簿をつけ始めてはいかがでしょうか。
家計簿アプリは私も愛用しているマネーフォワードMEがおすすめです。
まとめ:バリスタFIREはリタイア後の生活設計がしやすい!
以上、バリスタFIREについて特徴やサイドFIREとの違い、メリット、必要金額を紹介させていただきました。
改めてまとめると、バリスタFIREは金融資産から得られる不労所得で生活費の半分を賄い、残りをパートタイムという形で働いて収入を得るというライフスタイルでした。
完全にリタイアするというよりもセミリタイアに近い状態ですが、実現難易度が相対的に低く、収入も途絶えないので精神的なゆとりも持てる生き方です。
また、リタイア後の生活設計がしやすいといったメリットもあります。
ぜひ、本記事を読んでバリスタFIREに興味を持った方はバリスタFIREを目指してこれからも資産形成を頑張ってください。
最後にバリスタFIREを目指す人におすすめの本をいくつか紹介しておきます。
著者 | 山﨑俊輔 現役のファイナンシャルプランナー(FP) |
おすすめ ポイント | ・日本の社会制度や退職金制度、税制優遇制度を踏えた「日本版FIREの教科書」 ・日本の制度に基づいてFIREをどう計画すべきかについても言及されている |
読んでほしい人 | ・FIREの本質的な考え方について学びたい人 ・稼ぐ力を高めて最速で経済的自立(FIRE)を実現したい人 |
『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』は現役のファイナンシャルプランナー山﨑俊輔さんが日本の社会制度や退職金制度、税制優遇制度を踏まえてFIREの計画を解説している良書です。
著者 | ぽんちよ 28歳で金融資産2600万円を構築し、副業収入>生活費という状態に到達し、事実上FIREを達成 |
おすすめ ポイント | ・早期リタイアするうえで十分な資産や副業収入があるものの、敢えて会社員として働く「仮面FIRE」という概念を知れる ・会社員が目指すべきFIREのかたちについて紹介されている |
読んでほしい人 | ・今の会社は好きだけど、経済的自由を手にしたい人 ・会社員でFIREを目指して資産形成に取り組んでいる人 |
『めざせFIRE!知識ゼロから経済的自由を勝ちとる』では、早期リタイアするうえで十分な資産や収入があるものの、敢えて会社員として働く「仮面FIRE」の選択をしている著者のぽんちよさんの考え方が学べます。
また、以下の記事では【FIREを目指すなら絶対に読んでおきたい】おすすめのFIRE本5冊を紹介しておりますので、興味がある方は併せてご覧ください。
スポンサーリンク