近年、メディアに取り上げられることも増え、生き方や考え方もだいぶ浸透してきたFIRE(Financial Independence,Retire Early:経済的自立と早期退職)。
理由はどうであれ、経済的自由を手に入れて、早期退職して自分の人生を歩んでいきたいと切望している人は多いのではないでしょうか。
そんな方々におすすめしたい本として、投資系Youtuberぽんちよさんの著書『めざせFIRE!知識ゼロから経済的自由を勝ち取る』を紹介します。
本書は、以前は平凡だった会社員の著者がどのようにして現在のFIRE目前の状態(実質的にFIREを達成)に辿り着くことができたのか。その過程とこれまで挑戦してきたことを具体的に紹介することによってFIREを目指す人たちの道標になりたいとの思いから出版されています。
個人的に読んだ感想として、文章が簡潔・丁寧で非常に読みやすく、著者がFIREを目指したきっかけから具体的に行動してきた「投資」「節約」「副業」のノウハウが紹介されていて参考になった点が多かったです。
本記事では、『めざせFIRE!知識ゼロから経済的自由を勝ちとる』より著者が定義している「仮面FIRE」と「会社員が目指すべきFIREのかたち」について紹介していきたいと思います。
著者:ぽんちよ
著者はYoutubeで「投資」や「お金」に関する情報発信をされているぽんちよさんです。
Youtuberとして2021年5月現在でチャンネル登録者数20万人を突破されているすごい方ですが、本書執筆時の年齢は28歳で、北陸の田舎に住み、年収350万円で働く普通の会社員です。
新入社員時代に会社員としてお金の不安(不満)を持ち、たまたま学生時代の友人に投資を勧められたことで投資の世界に踏み出し、ハマっていきます。
そして、投資の勉強をする中でFIREという考え方に辿り着き、投資生活にのめり込む中で「もっと毎月の給料から投資にまわしたい」と考えるようになり、節約や副業に取り組むようになります。
副業として始めた投資系ブログにて記事ネタを考えていたときにいつ頃FIREできるのか計算してみた結果、2033年の39歳でFIREできるという答えが浮かびあがってきたそうです。
最初は「配当金生活」や「FIRE」は他人事だと思っていたそうですが、このときはじめて自分の人生でも実現できるのではないかと感じるようになり、前職時代に職場でストレスを抱えていたこともあって「FIREしてやる!」と強く志すようになります。
そしてブログで「FIREを目指す」という発信を始めたことで目標が明確化され、よりいっそう副業や節約への本気度が高まっていきます。
副業は鳴かず飛ばずの時期が続いたものの、結果として現在では「副業収入>生活費」となり、実質FIRE(仮面FIRE)の状態に到達しました。
本書にも記載はありますが、ぽんちよさんの執筆時点(2021年4月)の資産額は総額2622万円となっています。
Youtubeチャンネルにて毎月の資産額も更新されているので、ぜひそちらも併せてご覧いただければと思います。(ぽんちよさんのYoutubeチャンネル:【投資家】ぽんちよ)
仮面FIREとは
ぽんちよさんは前述のとおり、28歳という若さで金融資産2600万円を構築し(2021年4月時点)、なお副業収入>生活費という状態にも到達しており、事実上経済的自立を実現しています。
ただ、会社員としてのメリットを享受するため、経済的自立を実現しながら未だに会社員として勤務を継続されています。
このように早期リタイアする上で十分な資産や副業収入があるものの、「今の会社が好きだから」「万が一の保険として会社員を続ける」といった理由で、FIREできる状態を保ちながら会社員を続けることを本書では「仮面FIRE」と定義しています。
まさにぽんちよさんは仮面FIREという生き方を実現されています。
FIREを目指している人からすると、「なんで経済的自由を手に入れているのに会社員を続けるのだろう…?」という疑問が湧き上がってくると思います。
仮面FIREにも大きく3つのメリットがあって、ぽんちよさんはこのメリットを享受するために仮面FIREという選択を取っています。
仮面FIREのメリットが以下の3つです。
- 会社に依存しなくなる
- 人間関係のストレスが減る
- 税制上のメリットが大きい
まず、1つ目のメリット「会社に依存しなくなる」という点についてですが、仮面FIREの状態に到達すると生活を維持できるほどの副業収入や資産が既にあるので会社に依存していませんし、「会社が倒産したら…」などの不測の事態に怯える必要がなくなります。
また、経済的に自立していると会社での人間関係のストレスが減ります。
会社員が職場の人間関係に悩まされる大きな要因は、ストレスを感じても環境を変えられないからです。
なので、経済的に自立している仮面FIREの状態だと、いつでも辞められるという気持ちの余裕があるため、嫌いな人とは関わらない、行きたくない飲み会には行かないといった選択の自由が生まれます。
3つ目の「税制上のメリット」がぽんちよさんが副業収入を大きく稼いでいながらも会社員を続けている最大の理由だと思います。
ぽんちよさんは本業の年収が350万円なので給与収入がざっと毎月20~30万円くらい、副業収入はYoutubeだけでも少なくとも毎月50万円以上を超えているので、会社を辞めて個人事業主として十分やっていけるレベルです。
それでも会社員を続ける理由はやはり税制上のメリットが大きいからになります。
例えば、社会保険料だと会社員は社会保険料の半分を会社が負担してくれますが、フリーランスや自営業は社会保険料が全額負担となります。
またぽんちよさんのように「本業収入20万円+副業収入50万円」の状態だと、サラリーマンは本業の20万円の部分に社会保険料計算が適用される一方で、フリーランスの場合は合算した部分に社会保険料計算が適用されるので税負担が大きくなります。
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会社員が目指すべきFIREのかたち
著者が本書でおすすめするFIREはふつうのサラリーマンにとって再現性があり、早期退職後も「不労所得」「労働(副業)所得」のいずれか、またはその両方の収入源があるタイプです。
具体的には以下の3つのFIREになります。
- 完全リタイア<不労所得型>
- サイドFIRE
- 仮面FIRE
上記の3つのFIREスタイルは株などで一発を当てる必要はありませんが、「投資」「節約」「副業」が必要不可欠となります。
「投資」はインデックス投資で年率5%を上げることを目標として欲を出さず、「節約」「副業」に注力していくことが再現性の高いFIREへの道だと著者は述べています。
著者のぽんちよさん自身が実際に「投資」「節約」「副業」に取り組んで結果を出してFIREに到達しているので、詳しい部分が気になる点は本書をご覧いただけたらと思います。
本書の内容が少し気になっているという方に簡単に内容を説明すると、「投資」では米国株式を中心としたインデックスファンドが勧められています。(著者はeMAXIS Slim米国株式を保有)
また、生活防衛資金の考え方や高配当株、成長株投資についても紹介されています。
「節約」は入金力の向上だけではなく、目標資産額の大幅減少という点で非常に重要です。
著者が実践してきた家計簿のつけ方や節約を進めるための家計簿のコツなども紹介されています。
実際に著者も家賃等込みで毎月10万円以下に生活費を抑えています。
そして、最短ルートでFIREするには「副業」が必要不可欠です。
平凡な年収の会社員が「節約」「投資」のみでFIREを目指すのは非現実的です。
著者もこれまでポイ活やせどりで成功体験を積んで、ブログ、Youtubeに挑戦した結果、副業収入だけで月50万円を超えるようになっています。
本書では、著者がノウハウを持っているポイ活やせどり、ブログ、Youtubeのコツが紹介されているので、これらの副業に取り組んでいる人も参考になる点があるかと思いますので、ぜひ読んでみてください。
まとめ:会社員を続けながらFIREを目指す
以上、ぽんちよさんの著書『めざせFIRE!知識ゼロから経済的自由を勝ちとる』の内容を簡単に紹介させていただきました。
本書は仮面FIREの状態に到達したぽんちよさん自身の成功体験や失敗経験をもとに会社員が目指すべきFIREの方向性についてヒントを示してくれる本です。
FIREという生き方は誰しも憧れを抱くものですが、会社員の人がすぐにFIREに到達するのは難しいです。
ただ、本書でも紹介されている「投資」「節約」「副業」に取り組んでいき、改善点を修正しながら挑戦を繰り返していくことで少しずつFIREに近づいていけるということを本書は教えてくれます。
FIREという生き方に希望を見いだしているものの、まだ何か行動ができていないという方は非常に参考になる本だと思いますのでぜひ本書を読んでみてください。
私自身もサイドFIREを目標に日々資産形成に取り組んでいるので、本書を読んでモチベーションがアップしました。
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