FIREに関心を持って情報収集している方なら、1度は”Fat FIRE”という単語を見聞きしたことがあると思います。
そして、以下のような疑問を持たれたことがあるのではないでしょうか?
FIREにも様々な種類があるみたいだけど、中でも「Fat FIRE」ってどういうスタイルなの?
また、「Fat FIRE」にはどういうメリットがあるの?
上記のような悩みを解決するために、本記事ではFat(ファット)FIREの特徴やメリット、デメリット、実現するために必要な金額を紹介します。
本記事を読んでいただければ、Fat FIREに関する理解を深めていただけるかと思いますのでぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
私はサイドFIREを目指して資産形成に取り組んでおり、当ブログではFIREに関する情報を発信しています!
- 「Fat FIRE」とは、リタイア後も豊かな生活を送ることができる理想的なFIRE
- 基礎生活費に加えて贅沢なゆとり費を上乗せしてプランを設計している
- 「金銭面」と「時間面」で非常にゆとりが持てるといった最強のメリットがある反面、実現難易度が高すぎるといったデメリットがある
FIREには4種類のスタイルがある
まず、Fat FIREについて説明する前にFIREには大きく分けて4種類のスタイルがあるということを知っていただきたいです。
以下の図のように、「セミリタイア型」か「完全リタイア型」か、「実現難易度の高低」によってFIREは4つの種類に分類できます。
本記事で紹介する「Fat FIRE」は完全リタイア型のFIREで、実現難易度が最も高くなっている点に特徴があります。
Fat FIREとは-リタイア後も豊かな生活が送れる理想のFIRE-
Fat FIREとは、リタイア後も豊かな生活を送ることができる理想的なFIREのスタイルです。
Fat(ファット)という単語は形容詞として以下のような意味を持っています。
- 太った
- ふくれた、豊かな
- <土地が>肥沃な
これらの意味から想起できるように、「Fat FIRE」はリタイア後も贅沢に過ごすことができる点で他のFIREと一線を画しています。
つまり、他のFIREと比べて「リタイア後の生活を豊かにする」ことを目的としているんですね。
より分かりやすくイメージしていただくために、以下の表をご覧ください。
リーンFIRE (Lean FIRE) | 一般的なFIRE | ファットFIRE (Fat FIRE) | |
---|---|---|---|
基本的な考え方 | 基礎生活費(最低限) | 基礎生活費 +適度なゆとり費 | 基礎生活費 +贅沢なゆとり費 |
月間生活費 (イメージ) | 100,000円 | 250,000円 | 500,000円 |
必要金額 (目安) | 30,000,000円 | 62,500,000円 | 125,000,000円 |
上記3つのFIREはいずれも完全リタイア型のFIREです。
一般的なFIREは基礎生活費(適度なゆとり費も含む)に基づいてプランが設計されますが、「Fat FIRE」は基礎生活費に加えて贅沢なゆとり費を上乗せして設計されます。
「Fat FIRE」は資産収入で贅沢なゆとり費を含めた月間生活費を賄わなければならないため、必要金額が相対的に高くなります。
一方、「リーンFIRE」は基礎生活費を最低限(ミニマル)に設計したタイプのFIREで、「Fat FIRE」とはかなり対照的です。
上記に記載している月間生活費や必要金額はあくまでイメージであり、明確にいくらの資産を築いてリタイアしたから「Fat FIRE」に該当するといったわけではありません。
各々で想定する生活費は変わってくるかと思いますので、基礎生活費に贅沢なゆとり費を加えてFIREを実現することを「Fat FIRE」だと考えていただければ結構です。
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Fat FIREの2つのメリット
「Fat FIRE」は、「金銭面」と「時間面」で非常に大きなゆとりが持てるという最強のメリットがあります。
具体的に掘り下げると以下の2つのメリットが挙げられます。
- お金のことで一切悩まない
- 時間のゆとりが大きい
①お金のことで一切悩まない
「Fat FIRE」は贅沢なゆとり費を使う想定でプランを設計しているので、想定した必要金額が用意できさえすればリタイア後にお金のことで悩む必要がありません。
想定する生活費を最小限にしている「リーンFIRE」の場合は、リタイア後に相場が暴落したり、自分の身に何か起きると精神的な負担が非常に大きいですが、「Fat FIRE」の状態であればほとんど気にする必要がないでしょう。
また、金銭的に大きなゆとりがあるので、家族や友人にプレゼントをするなど周りを豊かにしやすいと思います。
時間のゆとりが大きいといったメリット(後述)もあるので、非常に幸福度が高い生き方を実現することができます。
②時間のゆとりが大きい
「Fat FIRE」は完全リタイア型のFIREであるため、リタイア後の時間は全て自分の思うがままに使えます。
家族や友人との大切な時間を過ごすのもいいでしょうし、自分がこれから成し遂げたいこと、極めたい趣味などにたっぷりと時間を使うことができます。
時間のゆとりが多いうえに、お金も余裕を持って使える生き方なんて最強すぎですね!
Fat FIREの2つのデメリット
「Fat FIRE」の主なデメリットとしては以下の2点が挙げられます。
- 実現難易度が高すぎる
- 豊かな生活を求めすぎてしまうと危険
①実現難易度が高すぎる
「Fat FIRE」は金銭面と時間面でゆとりがあって最強な生き方なんですが、最大のデメリットは実現難易度が高すぎるということです。
どこまでリタイア後の生活を贅沢にするかによりますが、FIREの4種類の中でも圧倒的にハードルが高いということは覚えておいてください。
「リーンFIRE」や「バリスタFIRE」、「サイドFIRE」といったタイプは会社員として数年、数十年働くことでも実現可能ですが、「Fat FIRE」は会社員では難しいでしょう。
「Fat FIRE」を実現するには、起業してビジネスで成功したり、副業で大きな収入を得続けなければならないので稼ぐ力にフォーカスする必要があります。
②豊かな生活を求めすぎてしまうと危険
「Fat FIRE」の注意点としては、豊かな生活を求めすぎてしまうと危険ということが挙げられます。
リタイア後に贅沢な生活を送っていく中で、次第にその生活に慣れてしまい、更なる贅沢を求めて…となってしまえば、想定よりも資金が早く尽きる可能性が出てしまいます。
人間は最初に満足していたサービスでも次第に慣れて更なる欲求を求める生き物なので、自制をしなければなりません。
贅沢はするといっても、当初想定した月間生活費の範囲内といったところで抑えておけば心配はないかと思います。
Fat FIREを実現するにはいくら必要!?
では、「Fat FIRE」を実現するにはいくら必要になるのでしょうか。
先に結論をお伝えしておくと、目安となる必要金額は「年間生活費×25」となり、人によって金額は異なります。
具体的に月間生活費ごとに「Fat FIRE」の必要な金額の目安を算出してみました。
月間生活費 | 年間生活費 | 必要金額(目安) |
---|---|---|
400,000円 | 4,800,000円 | 120,000,000円 |
500,000円 | 6,000,000円 | 150,000,000円 |
800,000円 | 9,600,000円 | 240,000,000円 |
1,000,000円 | 12,000,000円 | 300,000,000円 |
2,000,000円 | 24,000,000円 | 600,000,000円 |
贅沢な暮らしの想定は人それぞれだと思いますが、資産の4%を取り崩していく戦略に基づくと必要金額はかなり大きくなりますね。
まとめ:実現難易度は高いが理想的なFIRE
以上、「Fat FIRE」の特徴やメリット、デメリット、必要金額の目安について紹介させていただきました。
改めてまとめると、「Fat FIRE」とはリタイア後も豊かな生活を送ることができる理想的なFIREです。
リタイア後も「金銭」と「時間」のゆとりが非常に大きく、より幸福度の高い生き方を実現することができるのは間違いないのですが、その分実現難易度は非常に高くなります。
普通に会社員を続けて「Fat FIRE」を実現するのは難しいので、「Fat FIRE」を目指すならばビジネスを立ち上げるか、副業で大きな成果を残す必要があります。
個人的には、最初は副業をしながらセミリタイアする「サイドFIRE」を目指しながら、収入が大きくなってきたら「Fat FIRE」に切り替えるという戦略もアリだと思っています。
最後に「Fat FIRE」を目指す人におすすめの本を紹介しておきます。
著者 | グラント・サバティエ 銀行残高2.26$のどん底から5年でFIREを実現 |
おすすめ ポイント | ・FIREの本質は時間価値であることを教えてくれる ・収入、支出、投資の全項目でFIREに重要な考え方を教えてくれる |
読んでほしい人 | ・FIREの本質的な考え方について学びたい人 ・稼ぐ力を高めて最速で経済的自立(FIRE)を実現したい人 |
「Fat FIRE」に早く到達するには稼ぐ力が必要不可欠です。本書の著者も収入を飛躍的に上げたことでFIREの実現年数を早めていますし、本書を読めばお金を稼ぐことは将来の時間を買うことと同義であることが理解できます。
また、【FIREを目指すなら絶対に読んでおきたいおすすめの本】を以下の記事にまとめておりますので、ご興味がある方は併せて参考にしていただければと思います。
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