「4%ルール」を意識したポートフォリオを作るには?FIREするための最適な出口戦略を紹介!

「4%ルール」を意識したポートフォリオを作るには?FIREするための最適な出口戦略を紹介!

インデックス投資やFIREを目指して資産形成に取り組んでいる方なら一度は「4%ルール」という単語を目にしたことがあるかもしれません。

「4%ルール」の概念を知り、内容を理解することができれば、退職後の資産運用の考え方がガラリと変わるのでぜひ押さえておきたい内容です。

ただ、「4%ルール」に関して、以下のような悩みや疑問を抱いている方もいると思います。

  • 「4%ルール」ってなんか難しそう…どういう内容?
  • 「4%ルール」ってインデックス投資やFIREの出口戦略として有効って聞いたけど、本当?
  • 「4%ルール」を意識して運用するならどういったポートフォリオにすべき?

そこで本記事では、「4%ルール」の内容をわかりやすく簡単に紹介するとともに、シミュレーション結果を踏まえたうえで「4%ルール」を意識したポートフォリオの作成方法をお伝えしていきます。

インデックス投資を中心に資産形成に励んでいる人やFIREを目指している人は出口戦略としてぜひ参考にしていただけたら幸いです。

本記事の要点
  • 「4%ルール」とは、1988年に米国のトリニティ大学で発表されたもの。
  • 「ポートフォリオの4%の資金で1年間の生活費を賄えれば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95%」といった有名な結論がある。
  • 「4%ルール」をもとに、FIREに必要な金額の目安「年間生活費の25倍」が算出されている。
  • ポートフォリオの資産は株式と債券の組み合わせで保有すること。

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目次

4%ルールとは?

「4%ルール」とは、1998年に米国のトリニティ大学で発表された「資産運用に関する論文(トリニティスタディ)」で提唱されたものです。

具体的な論文の内容として以下のことが調べられました。

期間
1926年〜1995年の70年間
内容
株式や債券を一定の割合で保有して運用し、毎年一定の%で資産を取り崩していくと資産が底をつかない可能性はどれくらいか

毎年資産を取り崩す割合は3~12%で研究が進みましたが、中でも資産の取り崩し率が毎年4%であった時が資産を減らさずに運用し続けられる可能性が高いという結果から「4%ルール」と呼ばれています。

このトリニティ大学の研究をもとに論文から導き出された有名な結論として、

ポートフォリオの4%の資金で1年間の生活費を賄えれば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95%

といったものがあり、FIREを目指している著名人に広く支持されるようになりました。

「4%ルール」のシミュレーション結果は次項にて詳しく説明しますが、この理論が今後も通用するなら早期リタイアが現実味を帯びてきたように感じませんか?

イメージをしやすくするために数字に落とし込むと、年間の生活費が200万円の人であれば、金融資産が5000万円あると毎年4%(5000万円×4%=200万円)を取り崩して資産収入だけで生活しても30年後に95%の確率で底をついていないということになります。

しかも、米国の主要指数であるS&P500指数の年平均利回りは7%程度であり、米国のインフレ率が3%程度なのでこれを差し引いたとしても4%という数字は割と現実的なのです。

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4%ルールのシミュレーション結果

前項にて「4%ルール」を簡潔に紹介させていただきましたが、本項では実際のシミュレーション結果を見ていきましょう。

もう一度、「4%ルール」を復習しておくと、株式や債券を一定の割合で保有して運用し、毎年4%の割合で資産を取り崩していくと資産が底をつかない確率はどれくらいかといった研究でした。

なので、たとえば30年後に1ドルでも資産が残っていたらと成功という判定になります。

そして、前提としてポートフォリオに組み込まれる株式はS&P500インデックスファンド債券は長期の高格付け社債とされています。

実際の原文をもとに、4%ルールのシミュレーション結果を以下にまとめてみました。

毎年4%で取り崩した場合、X年後に資産が残った確率

見方としては、株式の比率が50%、債券の比率が50%の場合、35年後に資産が残った確率は96%であったという風になります。

株式の比率を100%(債券0%)にしてしまうとリスク・リターンが高くなるので、債券を25%∼50%組み込んだ場合と比較すると成功確率が減少していますね。

また、安全性を重視して債券100%(株式0%)にしてしまうと、リターンを賄いきれなくなるので成功率がグッと下がっていることが読み取れます。

このシミュレーション結果を見てみると、「4%ルール」を意識するのであれば、株式の比率は75%〜50%、債券の比率は25%〜50%でポートフォリオを構築するのがよさそうだということが分かります。

ただ、前述のとおりX年後に残った資産が1ドルだけだとしても成功にカウントされるので、「実際にどれくらい資産は残るのだろうか?」と気になる方もいらっしゃると思います。

こちらに関しても実際の原文に記載があるため、内容をまとめていました。

当初は1,000$で運用していた資産がX年後にいくらになったのかを示したものが以下の図です↓

4%ルール-当初の1000$はいくらになったか-

「4%ルール」に則って株式の比率75%/債券の比率25%で運用した場合、当初の1,000$は30年後に平均で9,031$、最小で1,497$、最大で16,893$、中央値は8,515$といった見方になります。

元本割れした部分は赤字で表記していますが、毎年4%の資産を取り崩しているにも関わらず資産が増えているってすごくないですか?

このような「4%ルール」のシミュレーション結果に基づいてFIREという新しい生き方が支持されはじめたのは揺るぎのない事実です。(もちろん注意点もあります。)

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4%ルールから導き出されること

この「4%ルール」からは以下の3つのことが導き出されます。

  • 年間生活費の25倍の資産があればリタイア可能!?
  • 資産は株式と債券の組み合わせで保有する
  • 完璧な理論ではない

①年間生活費の25倍の資産があればリタイア可能!?

「4%ルール」に基づく有名な結論として、「平均的なポートフォリオの4%の資金で1年間の生活費を賄えれば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95%」がありました。

この理論を応用すると、年間生活費の25倍の資産があればリタイア(=FIRE)がより現実的になります。

FIREを実現するための数式は「ポートフォリオ資産×4%≧年間生活費」となるので、年間生活費を4%で割る(つまり、25をかける)ことによってFIREに必要な資産額を逆算できるようになるのです。

年間生活費が200万円であれば必要な金融資産の目安は5,000万円になりますし、年間生活費が300万円であれば必要な金融資産の目安は7,500万円となります。

重要なのは、年間生活費が少なければ少ないほどリタイアするために必要な金融資産が少なくなるということです。

早期リタイアを目指すならば、生活水準を大きく上げないライフスタイルを維持しましょう!

年間生活費が少ないほど、リタイアするために必要な金融資産は少なくて済む

②資産は株式と債券の組み合わせで保有する

また、「4%ルール」は株式と債券の組み合わせによって算出された理論です。

株式と債券を組み合わせることによって資産が減少するリスクを極力抑えています。

トリニティスタディの研究では、債券を25%∼50%、株式を75%∼50%で保有した場合が非常にいい結果となりました。

なので、投資対象を誤ってしまうと「4%ルール」は全く参考にならなくなります。

極端な話、株式100%で運用すると大きな相場下落時に運用戦略に狂いが生じる可能性が高く、逆に債券100%で運用したとしてもポートフォリオから生活費を賄うリターンは到底期待ができません。

基本的には株式と債券は逆の動きをするので組み合わせることをおすすめします。

そして、投資対象先も株式はS&P500指数のように年平均で4~7%以上のリターンが見込める先、債券は長期の高格付け社債がいいですね。

株式と債券は組み合わせて運用すること

③完璧な理論ではない

最後にお伝えしたいのが、「4%ルール」は完璧なものではないということです。

あくまで過去の相場(1926年∼1995年)において、「平均的なポートフォリオから毎年4%を生活費として取り崩しても、30年後に資金が底をつかない可能性が95%だった」という結果を表しているに過ぎません。

5%の確率で同じ運用手法を取った場合でも30年を持たずに資金が底をついていますし、未来の相場もどうなるかは不確実です。

「4%ルール」のとおりに運用すればリタイア後の資産運用も完璧ということではありませんが、非常に参考となる理論であることには間違いありません。

「4%ルール」の戦略を取り入れつつ、さらに対策を講じることでよりリタイア後の資産運用を手堅くすることは可能です。

クリスティー・シェン&ブライス・リャンの著書『FIRE 最強の早期リタイア術』では、「現金クッション」や「利回りシールド」、「サイドFIRE」など様々なバックアッププランが紹介されていますので、リタイアを視野に入れている人はぜひ読んでみてください。

「4%ルール」を強固にすべく、様々なバックアッププランを取り入れよう!

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4%ルールを取り入れたポートフォリオを作ろう!

今後は仕事をリタイアして、資産の取り崩しで生活をしていこうと考えられている方がいれば、ぜひ「4%ルール」を参考にポートフォリオを構築してみてください。

「4%ルール」は過去のデータに過ぎませんし、未来は不確実ですが、非常に参考になります。

トリニティスタディの過去のデータを参考に、自身で運用する株式と債券の比率を決めて、株式はS&P500指数に連動するインデックスファンド、債券は長期の高格付け社債を組み合わせて運用することによって疑似ポートフォリオが作成できます。

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まとめ:「4%ルール」はFIREを見据えた最適な出口戦略

以上、「4%ルール」について簡単な内容とシミュレーション結果、ポートフォリオの構築方法などを紹介させていただきました。

あくまで過去の研究結果に過ぎませんが、「4%ルール」が登場したことによってFIREという光が見えたことは間違いありません。

FIREを目指していなくても退職後の資産運用の出口戦略としても応用できる考え方ですので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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