生活するために働いてお金を稼いでいるが、正直かなりしんどい。いつまでこんなラットレースを続けなければならないのだろうか……
上記のような想いを抱いている方々にぜひ読んでほしい本が『お金か人生か 給料がなくても豊かになれる9ステップ』(ヴィッキー・ロビン&ジョー・ドミンゲス)です。
本書を読むことでお金の本質について学ぶことができ、自分の人生を見つめ直すことができます。
この本はお金について書かれた本ではなく、人生について書かれた本です。
著者のヴィッキー・ロビンとジョー・ドミンゲスはFIRE本の原点とも言われる『Your Money or Your Life』を執筆した2人で、FIREムーブメントの先駆けとして全米の若者に大きな影響を与えました。
そんなFIRE本の原点である『Your Money or Your Life』をFIREの考え方が急速に進展した今の時代に即した内容に更新しているのが本書になります。
「FIREはこの本から生まれた」と本の帯にも書かれているとおり、まさにFIREの原点本です。
FIREを目指して日々資産形成に取り組んでいるという方やお金のためだけに働いている今の人生に違和感を感じているという方には非常におすすめできる本となっています。
4つのFI
本書では、私たちの心と人生を大量消費文化の呪縛から解き放つことを目的としたプログラムが章ごとに組まれています。
本書で学んだ内容を生活の中で実践することで、お金とのかかわり方を根本から変えることができるようになり、以下の4つのFIをマスターすることができます。
- 経済的理解(Financial Inteligence)
- 経済的調和(Financial Integrity)
- 経済的自立(Financial Independence)
- 経済的相互依存(Financial Interdependence)
経済的理解(Financial Inteligence)
経済的理解とは、お金に関する思い込みや感情からいったん距離を置き、客観視する能力です。
経済的理解に到達することは、これまでにいくら稼ぎ、そのお金でどういった資産を築き、いまいくら稼いでいて、いくら使っているのかといったことを知る必要があります。
ただ、それだけでは十分ではなく、お金とはいったい何かを知り、お金のために自身が何を犠牲にしているのかといったことも知る必要があります。
経済的調和(Financial Integrity)
経済的調和とは、自分の収入と支出が自身の家族、そしてこの地球に与える真の影響を理解することで達成できるものです。
自身の満足度曲線のピークにいられるだけのお金とモノの量ーそして何が余分でいらないものかーを知るということです。
そして、経済活動のあらゆる側面を自身の価値観と調和させるということです。
経済的自立(Financial Independence)
経済的自立とは、単に確実な収入源を持つこと以外に多くの意味を内包しています。
お金に関する誤った考え方、借金、そして現代の便利な生活への過度な依存など、身を滅ぼすものからの自立でもあります。
自分の人生をコントロールするために、お金に頼る生活から自身を解放してくれるすべてが経済的自立と言えます。
経済的相互依存(Financial Interdependence)
FIREを目指す過程において、将来性のないルーティン作業や仕事、嫌な人間関係、考え方を切り捨てることはできますが、他人との相互の関係性を完全に切り捨てることはできません。
最も幸福な瞬間とは、人を愛し、人に尽くすことによって訪れるものであり、私たちは人生を有意義なものにすることに、より多くの時間を割きたいと考えています。
経済的相互依存ーお互いのために何かをやる、お互いから何かを受け取る、お互いに協力して何かをつくるーとは、私たちの人生を豊かにしてくれるものです。
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お金は自分の生命エネルギーを差し出して手に入れるもの
本書を読んで最も重要だと感じたのがお金に対する考え方です。
お金とはいったい何でしょうか?
本書では、お金とは「あなたが自分の生命エネルギーを差し出して手に入れるもの」だと述べられています。
つまり、私たちは自分の時間を売って、お金を手に入れているということです。
私たちが持つ真の唯一の資産は人生の時間ですが、お金を稼ぐために人生のどれだけの時間を差し出せるでしょうか?
本書でも紹介されていますが、一度自分の時間単価(時給)を計算してみるのがおすすめです。
例えば、毎月の収入が300,000円だとして、労働時間が月160時間(8時間/日×20日)だとすると、時間単価(時給)は1875円となります。(*本書では、スーツや時計など仕事をするために費やしたお金を収入から差し引いて、通勤や仕事の疲れを取るために費やした時間など今の仕事をやっていなければ生じなかった時間を加えたりとかなり厳密に計算していますが、ここでは簡略化しています。)
自分の時間単価を計算してみたうえで、本当に毎月30万円を稼ぐために月160時間の生命エネルギーを差し出す必要があるのでしょうか。
経済的調和の考え方に基づき、そんなに稼がなくても自分にとって満足した生活を送ることができることに気づければ、労働のために差し出す時間を減らして自分の時間を取り戻せるかもしれません。
また、お金は使わなければただの紙ですが、取引の双方がその価値に同意している限りにおいて交換手段となり得ます。
さきほどの例ように時間単価(時給)が1875円の人であれば、3750円の物を購入することによって2時間分のエネルギーを差し出して得た対価と交換することになります。
その物は自分のエネルギーを差し出してまで欲しい物なんでしょうか。
今では様々なFIRE本でこのような考え方が浸透していますが、まさにお金は自身の生命エネルギーを差し出して得ているという考え方こそがFIREの本質だと言えます。
お金が自身の生命エネルギーであることを知ることでお金との関わり方は大きく変わっていきます。
まとめ:お金との付き合い方を変えれば、自分の人生を生きられる
以上、『お金か人生か』より個人的に重要だと感じた内容を一部紹介させていただきました。
本書はFIRE本の原点というだけあって、お金の本質を知り、自分の人生を見つめ直すきっかけとなる最良の本だと感じました。
今はたくさんのFIRE本が日本でも出版されていますが、『Your Money or Your Life』に影響を受けているFIRE本の著者は非常に多いです。
なので、これまでたくさんのFIRE本を読まれている方にとって何か目新しい内容が得られる訳ではありませんが、FIREの原点となった考え方に触れることは非常に価値があると思います。
本書のプログラムにしっかり向き合えば4つのFI思考を身につけることができますし、自分の人生の目的を振り返る手段としても最適です。
本書を通じて、自分の価値観に再度向き合い、楽しく、人生の目的に資するものだけにお金を使っていきましょう。
そうすることで、自分の人生をしっかり生きられるようになると思います。
【関連記事】
FIREについて興味がある方は以下の記事でおすすめのFIRE本を厳選して紹介しておりますので、併せてご参照ください。