【書評/要約】『金持ち父さん貧乏父さん』ロバート・キヨサキ|金持ち父さんの六つの教えを解説!

ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん貧乏父さん』は2000年から読まれ続けており、全世界でシリーズ4000万部を突破しているベスト&ロングセラーです。

私たちは何年も学校に通ってきたにも関わらず、お金について学ぶ機会には恵まれていませんでした。

学校ではお金について正しいことを教えてもらえることはなく、家庭もしくは自分で勉強する以外方法はなかったのです。

そんな現代において、『金持ち父さん貧乏父さん』はお金持ちになるための”本質的なお金持ちに対する考え方”を教えてくれます。

この部分こそがベストセラー&ロングセラーとして『金持ち父さん貧乏父さん』が多くの人に愛されながら読まれ続けている理由だと思います。

私自身も学生時代にこの『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだことでお金に対する考え方が変わり、社会人になる前から資産形成をスタートすることができました。

本記事では、『金持ち父さん貧乏父さん』で最も重要な”金持ち父さんの六つの教え”について内容を要約しています。

・『金持ち父さん貧乏父さん』を購入する前にどんな本か知っておきたい
・『金持ち父さん貧乏父さん』の内容を振り返りたい

という方の参考になればと思います。

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目次

金持ち父さん貧乏父さんの内容

『金持ち父さん貧乏父さん』の内容を簡単に紹介します。

本書では、登場人物として金持ち父さん貧乏父さんの2人が登場する物語形式のビジネス書です。

ストーリー形式なので非常に読みやすく、「お金の本質」について学ぶことができます。

本書に登場する2人の父さんの特徴は以下です。

一方の父は、四年制大学を二年で卒業し博士号を取得、そのあともさらに高度な教育を受けるためにスタンフォード、シカゴ、ノースウェスタンと三つの大学をはしごしており、どの学校でも成績優秀だったため、授業料は全て奨学金で賄っています。

そしてもう一方の父は高校すら卒業していません。

この特徴を踏まえると前者が金持ち父さんで後者が貧乏父さんだろうと思ってしまいそうですが、実は逆なのです。

高い教育を受け、世間的には知的に思われる前者がお金に苦労している貧乏父さんで、後者がハワイで最も裕福な金持ち父さんなのです。

「えっ」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

現代でもいい大学に入って一流の企業に就職している人の方が将来的にお金持ちになれるのではないかと思っている人の方が多いと思います。

私も学生時代、『金持ち父さん貧乏父さん』を読む前まではそのように思っていました。

ただ、本書を読んでいただければ分かるとおり、“お金に対する正しい考え方”を身につけることが最も重要で、金持ち父さんと貧乏父さんの差をつけているのも「お金に対する考え方」なのです。

学校ではお金に対する正しい知識を教えてくれないため、貧乏父さんのように高い教育を受けている人でも経済的に苦しんでいる人は多くいます。

逆にこれまで高い教育を受けられなかった人でも、自分からお金について正しい知識を学び、行動することができれば経済的自立へ近づいていくことができるのです。

金持ち父さんの六つの教え

本書で最も重要な部分、「金持ち父さんの六つの教え」を簡単にまとめてみました。

①金持ちはお金のためには働かない

1つ目の教えが「金持ちはお金のためには働かない」というものです。

つまり、お金に振り回されない生き方をするということになります。

お金に困っている人はお金に支配された生き方をしている人が多いです。

たとえば、お金があれば物を買うことができて幸せになれるだろうと思いながら働き続けている人が当てはまります。

金持ちはお金のためには働かず、自分の頭を働かせてお金を生み出す側にまわります。

そう、お金が自分のために働いてくれる仕組みを作るのです。

そして、そのお金が自分のために働いてくれる例というのが、ビジネスを展開したり、投資をするということになります。

②お金の流れの読み方を学ぶ

2つ目の教えは、「お金の流れの読み方を学ぶ」です。

人生で大事なのはどれだけのお金を稼げるかではなく、どれだけのお金を持ち続けることができるかです。

お金に困っていた人が宝くじにあたって一夜にして大金持ちになったかと思うと、またすぐにお金に困るようになるといった例のようにファイナンシャル・インテリジェンス(お金に関する知性)の乏しい人が持っているお金はすぐになくなります。

これを踏まえて著者はお金持ちになるためには、お金について勉強しなければならないと述べています。

そして、お金についてまず知っておくべき重要なことが、「資産と負債の違いを知り、資産を買わなければならない」ということです。

金持ちは資産を手に入れる。

中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思いこむ

『金持ち父さん貧乏父さん』ロバート・キヨサキ p77

資産と負債の違いは以下です。

資産は私のポケットにお金を入れてくれる

負債は私のポケットからお金をとっていく

『金持ち父さん貧乏父さん』ロバート・キヨサキ p80

お金持ちになるために知らなくてはいけないことはたったこれだけで、金持ちを目指すならただ「資産を買うこと」に生涯を捧げればいいのです。

損益計算書と貸借対照表で図式化すると以下のようになります。

上図が資産のお金の流れです。

イメージしやすいのが、株式からの配当所得、不動産の家賃収入ではないでしょうか。

株式や不動産といった立派な金融資産のように、私たちにお金を運んできてくれるのが”資産”です。

対して、負債は上図のようなお金の流れになっています。

クレジットカードや各種ローンといったものは、毎月の請求により私たちのポケットからお金をとっていきます。

また、この図を見ていただければ住宅や車も負債になりうることが分かります。

住宅も価値が上がっていくようなものであれば立派な資産になりますが、現状日本の住宅は年々価値が減少するのがほとんどで、住宅ローンを組むことによって金利を乗せて毎月返済しなければなりません。

また、他にも固定資産税や保険料、維持費が大きな支出となってしまいます。

車も同じようにカーローンを組んでいれば、毎月私たちのポケットからお金が出ていきますし、維持費にも支出がかさばってしまいます。

以上より、金持ちになるためには負債はできる限り減らし、資産を買う(つまり、投資をする)ことが重要です。

資本主義社会では、資産を大きくしていくことによって、金持ちがさらに金持ちになっていく仕組みになっています。

資産がどんどん大きくなっていけばその資産から生まれる収入も多くなり、お金が余れば再び資産にまわして資産は増え続けて、収入も増え続ける…といった具合です。

③自分のビジネスを持つ

3つ目の教えは、「自分のビジネスを持つ」です。

経済的な安定を確保しようとするなら、自分のビジネスを持つことが必要です。

そして、自分のビジネスは「収入」ではなく、「資産」を中心に展開すべきです。

前述のとおり、金持ちになるためには、資産と負債の違いを知り、資産を購入することが重要です。

本書では、「本当の資産」(利益を生む資産)として以下の7つを勧めています。

  1. 自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス
  2. 債券
  3. 収入を生む不動産
  4. 手形、借用証書
  5. 音楽、書籍などの著作権、特許権
  6. その他、価値のあるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品など

上記のような資産を構築したり、購入するのにも時間がかかります。

ただ、可能な限り多くの資産を構築することができれば経済的に自分の大きな味方となってくれます。

じっくりと時間をかけて投資をして自分自身のビジネスを築き上げていきましょう。

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④会社を作って節税する

4つ目の教えは「会社を作って節税する」です。

会社を持つことによって、有利な税金対策を講じることができるようになります。

たとえば、税金を払う前に収入から経費を支払うといったことです。

会社に雇われている人は、稼いだ収入から税金が引かれ、残ったお金で生活をやりくりします。

一方、会社は収入を得たら、そこから経費を差し引き、残ったお金に税金が課されます。

金持ちはこの合法的な税法の抜け道を利用します。

会社を持っている金持ちと会社のために働いている人は以下のように税金を支払う順番が違います。

会社を持っている金持ちは

  1. 稼ぐ
  2. お金を使う
  3. 税金を払う

会社のために働いている人々は

  1. 稼ぐ
  2. 税金を払う
  3. お金を使う

⑤金持ちはお金を作り出す

5つ目の教えは「金持ちはお金を作り出す」です。

金持ち父さんは本書でこのように述べています。

中流以下の人はお金のために働き、金持ちは自分のためにお金を働かせる。お金が実際に存在すると思う気持ちが強ければ強いほど、お金のために一生懸命に働く。お金は存在しないものだとわかれば、速く金持ちになれる。

『金持ち父さん貧乏父さん』ロバート・キヨサキ p140

お金は実際には存在せず、実情はただの硬貨や紙幣に政府が信用を持たせることによってお金としての役割を果たしているに過ぎません。

このことを認識したうえで、私たち人間が持っている唯一の強力な資産、すなわち頭を上手く鍛えることによってあっという間に富を作り出すことが可能になります。

お金を速く作るために、ファイナンシャル・インテリジェンスを高めるのがお金持ちの取る行動です。

著者も金持ち父さんの教えのとおり、お金に関するしっかりした基礎の重要性をはっきりと認識し、それを確実に築き上げたことによって成功しています。

そして、ファイナンシャル・インテリジェンスを形作る四つの主な専門知識が以下となります。

1.会計力

ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する読み書き能力)。数字を読む力。ビジネスあるいは投資を築くのに不可欠なスキル

2.投資力

お金がお金を作り出す科学

3.市場の理解力

市場が需要と供給の科学であることを理解する

4.法律力

会計や会社に関する法律、国や自治体の法律に精通していること

これから先の未来も変化が激しい時代が想定されます。

市場が変動するたびに、仕事を失い、新しい仕事のために頭を下げて回る人がいる一方で、人生が与えてくれた「ちょっとしたもの」を見逃さずにつかまえ、そこから大金を作り出す人が出てきます。

それを可能にするのが「ファイナンシャル・インテリジェンス」です。

⑥お金のためではなく学ぶために働く

6つ目の教えは、「お金のためではなく学ぶために働く」です。

つまり、「いくら稼げるか」ではなく、「何を学べるか」で仕事を探しなさいということです。

特定の専門を選ぶ前に、将来を見渡しながら、自分はどんな技術を習得したいと思っているかじっくり考えることが重要です。

そして、金持ち父さんは浅く広く知識を増やすようにアドバイスをしています。

また、自分より頭のいい人間と仕事をし、そういう人間を集めて一つのチームとして働かせるようにとも教えています。

いわゆる、「専門職のシナジー」と呼ばれるべきものです。

本当に稼げる人は、専門の分野だけではなく、そのほかの技術も持ちあわせていることが多いです。

中でも著者は専門的な技術の中でもセールスとマーケティング、つまり売る能力が重要だと説いています。

6つ目の教えはキャリア観に近いものでしたが、ぜひ1度自分の将来を見据えて、現在就くべき仕事を考え直してみるのもいいのではないでしょうか。

まとめ:ファイナンシャルインテリジェンスを磨こう!

以上、お金の本として長年にわたり読み継がれている大ベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』について内容を紹介させていただきました。

最初に本書を読んだのは学生時代でしたが、改めて3年後に読み直してみるとお金に関する重要な考え方がこの本には詰まっていると感じました。

他にもたくさん資産形成や資産運用の本はありますが、結局のところ本質を辿れば『金持ち父さん貧乏父さん』の考え方に行き着く部分は多いと思います。

私自身、資産形成をはじめようと思えた1歩は『金持ち父さん貧乏父さん』でした。

ぜひ、資産形成をはじめようと思っている人には読んでもらいたいですし、一度読んだ方も時間を空けてから読み直す価値のある1冊だと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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