- お金はしっかり貯まっているんだけど、人生に物足りなさを感じている…
- 資産形成に注力しすぎて、お金を使うことに抵抗がある…
- これからの人生を歩んでいく中で少しでも後悔を減らしたい
上記のような方々におすすめしたいのが、『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著、ダイヤモンド社)です。
本書を読むことで、資産形成の観点からこれからの人生を充実させるためにはどうすべきかを考えさせられます。
私自身、将来少しでも自由になるために金融資産形成に取り組んでいますが、お金は貯めることに固執しすぎず、自分が本当に適切な時期に適切なモノやサービスにお金を使っていきたいと思いました。
本記事では『DIE WITH ZERO』を読んで、個人的に刺さった部分を紹介していきたいと思います。
今しかできないことに惜しみなく金を使え
本書のタイトルは『DIE WITH ZERO』、直訳すると「ゼロで死ね」となりますが、本書の核となるメッセージは「今しかできないことに惜しみなく金を使え」ということです。
私たちが生きている時間は有限で、誰しもが皆いずれ死を迎えます。
だからこそ限られた時間のなかで最大限に命を燃やす方法を考える必要があります。
つまり、人生からどれだけ無駄を減らし、価値あるものを増やすかといった最適化の問題への答えを求められています。
死ぬまでに、限られた自分のエネルギーを、何にどれくらい割り当てるべきかを考えようということです。
そして、大切なのは自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うことです。
幸せの感じ方は人それぞれですが、金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのは一番やってはいけないことです。
経済的自立やFIREに固執し過ぎるほど、お金を貯めることに注力しがちになってしまうので要注意ですね。
何か物事に惹かれた時、その際我慢すればお金は貯まることになりますが、機会損失にもつながります。
極端な例ですが、25歳で海外旅行に行くのと、80歳で海外旅行に行くのでは今後人生に与える影響や経験が大きく違います。
また、もしかしたら80歳で海外旅行に行こうとすると身体が思うように動かず、あまり楽しめないかもしれません。
結局のところ、時間と金を最大限に活かすためのカギは”タイミング”にあります。
自分が「あれをやりたい」と思ったとき、自分にとって大切な経験になるのであれば惜しみなくお金を使いましょう!
人生の充実度を高めるのは、”そのときどきに相応しい経験”なのだ。
時間と金という限りある資源を、いつ、何に使うかーー。
この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れるのである。
『DIE WITH ZERO』ビル・パーキンス
人生は経験の合計
また、著者は”人生は経験の合計”であると述べています。
あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まります。
そして最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、どれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになります。
なので、人生でしなければならない一番大切な仕事は思い出づくりだと著者は述べています。
人生の最後に残るのは結局のところ、思い出だけなのですから。
資産形成に取り組むうえで、この点は心に刻んでおきたいと思いました。
資産形成を意識しすぎて、節約ばかりしてしまうと、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う可能性があります。
その結果、自分にとっての世界が必要以上に小さな場所になってしまいます。
「あのとき、あれをやっておけば…」という後悔はしたくないですしね。
できる限り人生を充実させるためには富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化するための方法を探すことが重要だと感じました。
そのためには、この人生でどんな経験をしたいのかを真剣に考え、それを実現させるために計画を立てる必要がありますね。
この点に関しては、参考になる考え方が本書で紹介されています。実際に本書を読みながら、将来について書き出していくことで思考の整理もできます。
実際に本書で紹介されていた「タイムバケット」は非常に有益なツールで参考になりました。(私も本書を読みながら作ってみましたがよかったです。)
また、他にも紹介されていた各体験から得られる喜びをポイントで表現してみたりするのも有効だと思います。
非常に難しいですが、自分の価値観を可視化して、お金を「貯める力」と「使う力」を両立させたいですね!(リベ大風)
今しかできない経験(価値あるものだけ)への支出と、将来のための貯蓄の適切なバランスを取っていきましょう!
金は目的を達成するための手段にすぎない。金は、人生を楽しむというもっとも重要な目標の達成に役立つ。一方で、金を増やすことを最優先してしまうと、その目標の達成は難しくなる。
『DIE WITH ZERO』ビル・パーキンス
まとめ:「ゼロで死ぬ」を目指すこと自体に高い価値がある
以上、『DIE WITH ZERO』より個人的に刺さった部分を感想を交えながら紹介させていただきました。
資産形成においてお金を貯めるという観点からみると、貯めることと使うことはトレードオフであるため非常にバランスを取るのが難しいとこれまで感じていました。
本書を読んだことで、資産形成と並行しながらこれから自分はどういうことに対してお金を使っていくべきか価値観を改めて見つめ直していきたいと思いました。
そして、20代でしか経験できないことや20代で経験しておいた方が価値が高いと思えるような事についてはお金を惜しまずに使っていきたいと思いました。
本書のタイトルのようにお金を自分の人生の最大化のためにうまく使って「金融資産ゼロ」で死ぬことは非常に難しいと思います。
ただ、「ゼロで死ぬ」という目標を持つことで、人生を充実させようという意識が働くようになるため、「ゼロで死ぬ」ことを目指すこと自体に高い価値があるそうです。
「お金を使う」という点に関しても、しっかり注力していきましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。