バーチャルリアリティ(VR)はバーチャル空間でユーザーの体験をシュミレートする技術で、近年非常に注目が集まっているテーマの1つです。
バーチャルリアリティの将来性に魅力を感じ、バーチャルリアリティをテーマにしている注目ファンド「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」に興味を持たれていらっしゃる方も非常に多いと思います。
といった悩みを解決するために、本記事では「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の特徴をはじめ、組入銘柄や運用成績、展望を紹介していきます。
ぜひ、参考にしていただければと思います。
・eMAXIS Neo バーチャルリアリティの中身を詳しく知りたい
・バーチャルリアリティというテーマに将来性を感じる
・eMAXIS Neo シリーズに興味がある
Contents
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの特徴
では、まず最初に「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の特徴を紹介します。
AIが銘柄を選定する”新時代のインデックスファンド”

まずはeMAXIS Neoシリーズの概要を説明します。
eMAXIS Neoとは、eMAXISシリーズでお馴染みの三菱UFJ国際投信が設定している投資信託のシリーズのことです。
最大の特徴は、AI(人工知能)が米国の金融商品取引所に上場している銘柄の中から対象のテーマごとに銘柄を選定し算出する「S&P Kensho ニューエコノミー指数」に連動することを目指す、新時代のノーロード・インデックスファンド・シリーズであるということです。
同シリーズは2020年末で合計純資産残高が200億円を突破しています。(2020年12月29日時点)
将来性や高い成長性が期待される9つの革新的なテーマを取り扱っています。(「遺伝子工学」「ロボット」「宇宙開発」「ドローン」「バーチャルリアリティ」「ナノテクノロジー」「フィンテック」「ウェアラブル」「自動運転」)
eMAXIS Neoシリーズ9ファンドの2020年12月28日時点の純資産は以下のようになっています。
ファンド名 | 設定日 | 純資産総額 | |
1 | eMAXIS Neo 自動運転 | 2019/5/28 | 88.9億円 |
2 | eMAXIS Neo バーチャルリアリティ | 2018/12/3 | 25.3億円 |
3 | eMAXIS Neo ナノテクノロジー | 2018/12/3 | 18.4億円 |
4 | eMAXIS Neo 遺伝子工学 | 2018/8/6 | 15.2億円 |
5 | eMAXIS Neo 宇宙開発 | 2018/8/6 | 13億円 |
6 | eMAXIS Neo ウェアラブル | 2019/5/28 | 12.4億円 |
7 | eMAXIS Neo フィンテック | 2019/5/28 | 11.7億円 |
8 | eMAXIS Neo ドローン | 2018/12/3 | 8.6億円 |
9 | eMAXIS Neo ロボット | 2018/8/6 | 7.9億円 |
今回紹介する「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の純資産総額は同シリーズにおいて「自動運転」に次いで大きい25.3億円(2020年末時点)となっており、同テーマへの期待が大きいことが伺えます。
これまでにもAIが一部運用するようなファンドはありましたが、eMAXIS Neoは銘柄選定を全てAIが行っています。
AIが数百万ページ以上の企業の開示資料等を自動で読み込み、テーマに関連するコトバの有無を基本に銘柄を自動で選んでいます。
AIが運用することによって、銘柄の取りこぼしが少なく、テーマの恩恵を十分に享受することが期待されています。
人間と違ってAIには迷いや不安といった感情が一切ないため、読み込んだ過去のデータに基づきより精緻な運用ができるのでしょう。
AIの運用技術自体もこれから注目されると思いますので、AIの腕前を見るという点でも興味深いファンドだと思います。
Kensho Virtual Reality Indexに連動
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」はKensho社が開発したS&P Kensho Virtual Reality Index(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。
Kensho Virtual Reality Indexは、仮想現実(VR)セクターに従事している企業や、ビジネス戦略の主な構成要素として仮想現実(VR)や拡張現実(AR)関連事業に注目している企業のパフォーマンスを測定するように設計されています。
S&P500指数と対比した過去3年間のパフォーマンスは以下のとおりです。

3年前(2018年2月26日)を100とした場合、
S&P Kensho Virtual Reality…360.79
S&P 500…145.21
2018年、2019年はS&P500指数と同等の動きでしたが、2020年はコロナウイルスの影響もあってDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速したことから大きく上昇しています。
コストは少し高い
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の基本情報をまとめました。
購入時手数料:なし
信託報酬:年率0.792%(税込)
信託財産留保額:なし
設定日:2018年12月3日
信託期間:無期限
決算日:8月17日
純資産:6753百万円(2021/1/29時点)
コストは少し高いといったところでしょうか。
購入時手数料と売却時のコスト(信託財産留保額)はかかりません。
信託報酬は年率0.792%となっており、業界最安のインデックスファンド(約0.2%)と比較すると相対的に高く、アクティブファンド(約1.6%)と比較すると相対的に安いといった立ち位置です。
まさにインデックスファンドとアクティブファンドのちょうど中間といったコストですね。
売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用を加味した実質コストは1.073%となっています。
設定日は2018年12月3日で同シリーズの「ナノテクノロジー」「ドローン」と同時期に設定されています。
純資産は2021年1月29日時点で67億5300万円となっており、同シリーズでは2番目に大きな規模となっています。
eMAXIS Neo バーチャルリアリティの組入銘柄
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の投資地域と業種、組入上位10銘柄は以下のようになっています。(2021年1月の月次運用レポートより抜粋)

投資地域はアメリカが84.5%と大勢を占めており、ケイマン諸島(6.8%)、オランダ(2.7%)、イスラエル(2.4%)、スイス(2.4%)と続いています。
セクターは、「テクノロジー・ハードウェア・機器」が31.6%、「半導体・半導体製造装置」が22.2%、「耐久消費財・アパレル」が16.7%と上位3セクターの合計で約7割を占めています。
VRに関連するセクターは幅広く、合計で8セクターから成り立っています。
また、特徴的なのは組入銘柄が19銘柄しか入っておらず、集中投資になっていることです。
同ファンドは”新時代のノーロード・インデックスファンド・シリーズ”と謳われていますが、実態はアクティブファンドに近いです。
集中投資のため、リスク・リターンは非常に高いですし、テーマ型は流行り廃りも激しいので注意が必要です。
組入上位3銘柄を紹介
では、組入上位3銘柄を紹介していきます。
1位 スリーディー・システムズ(組入比率23.0%)
組入銘柄第1位は米国の立体画像メーカースリーディー・システムズ(DDD)です。
専門技術ユーザーと一般ユーザー向け3Dプリンター、印刷資材、特注パーツなど3Dコンテンツの印刷ソリューションを提供している企業です。
同社の3D印刷技術は、デジタル入力から実際のパーツを直接制作できるため、製品設計から製造までの納期短縮や費用削減に活用されています。
2位 ビュージックス(組入比率14.3%)
米国の画像装置メーカービュージックス(VUZI)が組入銘柄第2位となっています。
映画、コンピューターデータ、インターネット、ビデオゲームなどのビデオやデジタルコンテンツを視聴することが可能な映像スクリーンを搭載した、眼鏡タイプのウェアラブル画像装置を提供しています。
主な製品にはスマートグラス、ビデオ・アイウェアなどがあります。
3位 マイクロビジョン(組入比率8.6%)
米国のテクノロジー会社マイクロビジョン(MVIS)が組入銘柄第3位となっています。
ミニチュアレーザーディスプレイや画像エンジン制作用に独自の「PicoP」技術を開発している企業です。
同社の「PicoP」技術は2次元のMEMS、レーザー、光ファイバー、および電子を使用して、ビデオや静止画像を制作しています。
また、ライセンス契約を通じて、家電、自動車を含む広範な市場のOEMに「PicoP」技術を提供しています。
設定来の運用成績
決算期(8月17日)における設定来の運用実績を紹介します。
基準価額 | 期中騰落率 | 純資産総額(百万円) | |
2018/12/3(設定日) | 10,000 | 300 | |
2019/8/19(1期) | 9,596 | -4.04% | 340 |
2020/8/17(2期) | 14,264 | 48.65% | 892 |

直近2期の決算期を見てみると、2期で大きく上昇していることが分かります。
2020年度はコロナウイルスの影響で経済情勢は大きく悪化しているものの、テクノロジー関連はDXの恩恵を受けて業績が好調なことから「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の運用成績も非常に好調となっています。
2021年2月26日時点では、基準価額が35,010円、純資産は181億900万円となっており、上昇幅はさらに加速しています。
【展望】VRの市場規模は2025年には100億ドルに!?
VRの市場規模は今後も大きな成長が期待されています。
2020年は640万台のVRヘッドセットが販売され、VR市場コンテンツ支出は11億ドルに達しました。
市場アナリスト会社Omdiaの最新調査によると、VRコンテンツの収益は2025年に40億ドルに達し、その90%はゲームによるものになると言われています。
VRのハードウェアとソフトウェアを合わせた価値は、2020年の32億ドルから2025年には100億ドルに達することが予想されています。(参照レポート)
まとめ:VRはワクワクするような投資テーマ
以上、「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」の特徴や組入銘柄、運用成績等を紹介させていただきました。
バーチャルリアリティ(VR)はこれからも普及余地が大きい近未来的なテーマで非常にワクワクするような投資テーマだと感じました。
ゲーム関連でよく使われている印象ですが、これからも様々なビジネスでVRの普及は進んでいくと思います。
実際に住宅の分野では、住宅展示場の代わりにVRゴーグルを使って、家の内装を閲覧したりすることができるみたいですね。
「VR関連の銘柄に投資したいけれど、個別株はちょっと怖い…」という方には「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」はおすすめできるかもしれません。
「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」への投資を考えている方にとって、本記事を少しでも参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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