政府が掲げる「貯蓄から投資へ」を促す制度として2018年に「つみたてNISA」が登場しました。
つみたてNISAは毎年40万円を上限として一定の投資信託を購入できます。
つみたてNISAは購入時から20年間は売却して利益が生じた場合でも課税がされない長期的な資産形成に適した素晴らしい制度です。
つみたてNISAの制度を知って、始めてみようと思ったものの、
「対象のファンドもたくさんあってどれにするか悩む…」
という方もいらっしゃると思います。
本記事では、私が学生時代につみたてNISAをはじめた理由と実際に毎月積み立てを行っている3つのファンドを紹介します。
・つみたてNISAのファンド選びに迷っている
・つみたてNISAをはじめようと思っている
・つみたてNISAのメリットを知りたい
Contents
つみたてNISAをはじめた3つの理由
つみたてNISAの制度がスタートしたのは2018年です。
私は当時、社会人を前にした大学4年生でした。
「社会人になったらしっかり資産形成に取り組もう!」という思いから資産形成に関連する本や雑誌を読み漁っていました。
その過程で「つみたてNISA」という制度が始まるということを知り、「これだ!」と思い、つみたてNISAの口座を開設しました。
資産形成を行うなら、他にも株や債券という手法もありましたが、結局私がつみたてNISAに落ち着いた理由が以下の3つです。
①少額から始められて、簡単
②コストが低い
③長期で分散した投資ができる
①少額から始められて、簡単
1つ目の理由は、少額から始められて、簡単ということです。
つみたてNISAの制度がはじまった当時、私は卒業を控えた大学4年生でした。その頃は旅行等にお金を使ってしまっており、ほとんど手元にお金がありませんでした。
今でこそネオモバイル証券やLINE証券のように1株から株を購入できる制度が誕生していますが、当時の私は株を購入できる資金も知識も不足していました。
その点、つみたてNISAは少額から始められて、毎月自分が設定した日に自動的に引き落としがされるので、とても簡単ではじめるにあたってハードルも低いと感じました。
また、いろんな本を読んでいる過程で「ドルコスト平均法」という考え方に出会い、「まさにこれだ!」と思いました。
当時はまだ社会人にもなっていなかったので、今後の長い社会人生活を考えると時間も取ることができ、ドルコスト平均法をうまく活用しながらゆっくりと着実に資産を増やしていきたいと思いました。
②コストが低い
つみたてNISAの対象ファンドは買い付け手数料がかからず、信託報酬が低いものばかりです。
私は大学3年生の頃に初めてFP資格を取り、投資信託の仕組みやメリット・デメリットはなんとなく理解していました。
当時の株式投資信託のイメージとしては様々な株式が組み入れられていて分散の効果が得られるメリットがある一方、株式よりも手数料が高いというイメージでした。
特に銀行などの金融機関が販売する投資信託は手数料が高く、手数料稼ぎとして買い付け手数料が3%を超える商品が頻繁に売られているというニュース等も耳にしていたので正直印象はよくありませんでした。
その点、つみたてNISA対象の投資信託は買い付け手数料がかからず、信託報酬が低いものばかりだったので抵抗なく始めることができました。
手数料って結構ばかにならないですからね。
たとえば、3%の買い付け手数料が取られた場合、トータルベースで考えれば購入した時点で基準価額が3%下落しているようなものなので、結構痛いです。
手数料分を取り戻せるような優良なアクティブファンドに投資すればそのような問題は解決しますが、事実としてだいたいのアクティブファンドはインデックスファンドに負けていますし、当時は優秀なアクティブファンドを選別する目利きもありませんでした。
③長期で分散した投資ができる
つみたてNISA最大の魅力は、長期で分散して投資を継続することができるということです。
長期分散継続投資はリスクをそれなりに抑えつつ、時間×複利の効果を得られる運用方法だと思っています。
短期の株式市場は不確実なことが多く、予期せずに上がったり下がったりします。
ただ、長期的な視点でみると世界株式は右肩上がりが続いています。
もちろん、過去にはブラックマンデーや同時多発テロ、リーマンショックなど株式市場にとって非常にショックな出来事も起きています。
近年では、コロナショックによる大幅な相場下落が起こりました。
ただ、NYダウやS&P500指数はそういった出来事があったにも関わらず、高値の更新を続けています。
私は今後も資本主義経済において経済成長は続いていくと思っているので、長期的な視点でみた世界株式は上昇が見込めると思っています。
株式市場には不確実性がつきものですが、今後も長期分散投資を継続していきたいと思っています。
毎月積み立てている3つのファンド
上記で述べた理由より、私の投資の主軸はつみたてNISAです。
つみたてNISAを利用して毎月投資信託の積み立てを行っていますが、運用する上で心がけているのが「長期・分散・継続」投資です。
「長期」は、より長い時間を使って運用を続けるということです。
つみたてNISAの非課税期間は20年ですので、非課税期間を最大限に活用したいと思っています。
「分散」は、投資対象を分散するということです。
投資信託の仕組みによって分散効果が働いていますが、私は投資対象も日本、先進国、新興国と分散を図っています。
「継続」は、投資を辞めないことです。
株式市場は長期的な視点で考えると今後も右肩上がりが続いていくと思っているので、投資を継続して時間×複利の効果を最大限に享受したいと思っています。
では、実際に私が毎月つみたてNISAで積み立てを行っている3つのファンドを紹介します。
つみたてNISAは年間の上限が40万円なので、毎月33,000円を3つのファンドに分散しています。
①ひふみプラス
まず、国内株式を対象に積み立てているのがひふみプラスです。
運用会社:レオスキャピタルワークス
純資産:5413.81億円
購入時手数料:なし
信託報酬:1.078%
信託財産留保額:なし
月積立額:7,000円
2020.6.7時点
運用会社は今や投信業界では有名となっているレオスキャピタルワークスです。
ひふみプラスはアクティブファンドに該当し、インデックスファンドよりもコスト(信託報酬)が高いです。
それでもアクティブファンドのひふみプラスに投資しているのには理由があります。
最大の理由は、日本株は長期的な視点で見た場合に成長余地が少ないと思っているからです。
日本は少子高齢化という構造的な問題を抱えており、将来的に人口の増加を期待することができません。
長期的な視点で考えると、人口の増減は経済成長を予測するうえで重要だと思っています。
人口が増加すれば、需要面から考えると消費が拡大し、供給面から考えると労働力の増加につながるため、需給双方の観点からGDPの増加に寄与します。
単純に人口が増加すると消費が増えて、結果的に会社の業績もよくなり、労働者の収入も増えて、再度消費が増える…といった好循環が生まれます。
もちろん、経済成長の要素は人口だけではありませんが、経済成長を支える基盤として人口は重要だと思っています。
人口の増加が今後見込める対象先であれば、インデックスファンドでも連動して経済成長の恩恵を受けることができると思っています。
しかし、ご存知のとおり、日本は少子高齢化という構造的な問題を抱えているため、人口の増加を起点とした経済成長の恩恵が今後受けにくいです。
なので、私は日本国内の企業を対象とした投資ではより優良な企業を選別するアクティブファンドに投資をしています。
数あるアクティブファンドの中でも「ひふみプラス」を選んだ理由は、アクティブファンドの中でも信託報酬が安く、日本で長期投資を普及させようとしているレオスキャピタルワークスの藤野さんの考え方に感銘を受けたからです。
まだ、投資もよく分かっていない学生の頃に「カンブリア宮殿」や書籍『投資家が「お金」よりも大切にしていること』で藤野さんの考え方に触れて、投資家目線の運用会社もあるんだなと強く印象に残りました。
②eMAXIS Slim 先進国株式
先進国株式を対象に毎月積み立てを行っているのが、「eMAXIS Slim 先進国株式」です。
運用会社:三菱UFJ国際投信
純資産:1088.34億円
購入時手数料:なし
信託報酬:0.1023%
信託財産留保額:なし
月積立額:15,000円
2020.6.7時点
三菱UFJ国際投信が運用している業界最低水準を誇るインデックスファンドです。
同じような先進国株式を対象としたインデックスファンドは他にもありますが、信託報酬が低かったこと、今後も業界最低水準を目指して信託報酬を引き下げていく方針を掲げていたため、「eMAXIS Slim 先進国株式」を選びました。
ベンチマークは「MSCIコクサイ」で、日本を除く先進国株式が対象となっています。
先進国を対象にしたインデックスファンドですが、実態は70%がアメリカとなっています。
詳細は以下の記事で述べていますが、私は長期的な観点ではアメリカは人口の増加も期待でき、効率的に資本を活用できており、なおかつ技術革新を起こせるような会社が多いため、米国株は今後も非常に期待できると思っています。
③たわらノーロード新興国株式
新興国株式を対象として毎月積み立てを行っているのが、「たわらノーロード新興国株式」です。
運用会社:アセットマネジメントOne
純資産:69.44億円
購入時手数料:なし
信託報酬:0.374%
信託財産留保額:0.3%
月積立額:11,000円
2020.6.7時点
ベンチマークは「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」で、中国、インド、韓国など新興国を対象とした企業に投資を行っています。
新興国のマーケットは非常にリスクが高いですが、長期でみると一番リターンが期待できると思っています。
先ほど述べた人口という観点でみると今後の増加は顕著で、長期的に経済成長の恩恵を受けられるのではないでしょうか。
先進国株式と同じく、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim シリーズにしてもよかったのですが、運用会社も分散しておこうと思ってアセットマネジメントOneのたわらノーロードシリーズにしました。
当時、学生だった頃は何でも分散しておいた方がリスクは減らせると思っていましたが、さすがに運用会社まで分散したのはやりすぎだと思っています。(笑)
まとめ
以上、私がつみたてNISAをはじめた理由とつみたてファンドを紹介しました。
つみたてNISAは、少額から始められて、コストも低く、長期分散継続投資ができるので非常におすすめです。
資産形成をはじめようと思っていた当時、色んな資産形成本を読み漁りましたが中でも水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』は非常に参考になりました。
つみたてNISAやインデックス投資をはじめようと思っている方は参考になると思うのでぜひ読んでみてください。
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