「つみたてNISAで新興国株式インデックスファンドへの投資を考えているけど、複数あるファンドの中でどれを選んだらいいか分からない…」
上記のような悩みを解決していきます!
本記事では、2020年12月30日時点のデータをもとに、数値を比較しておすすめの新興国株式インデックスファンド(つみたてNISA対象)を紹介します。
つみたてNISAで新興国株式に投資をしようと考えている方や既に新興国株式に投資を行っている方々に参考になるかと思います。
・これからつみたてNISAで新興国株式に投資をしようと思っている
・つみたてNISAで新興国株式に投資を行っている
・新興国株式インデックスファンドの比較結果を知りたい
Contents
【つみたてNISA対象】新興国株式インデックスファンド一覧
まずは、つみたてNISAの対象となっている新興国株式インデックスファンドのラインナップを見ていきましょう。
つみたてNISAの対象ファンドを探す場合は、モーニングスターのつみたてNISA対象ファンド一覧がおすすめです。
新興国株式インデックスファンドのカテゴリは全部で11種類あります。(2020年12月30日時点)

「SBI・新興国株式インデックスファンド」のみがFTSE Emerging Indexに連動しています。
「SBI・新興国株式インデックスファンド」を除く、他の10ファンドはMSCI Emerging Markets Indexに連動しています。
【つみたてNISA対象】新興国株式インデックスファンド比較
では、先に紹介したつみたてNISA対象の新興国株式インデックスファンド全11本を「コスト」「純資産」「運用成績」の観点で比較していきたいと思います。
コスト編
まずはコスト編です。
前提として、インデックスファンドの場合、目標としている連動指数が同じであるならば、コストは低い方がいいです。
投資信託にかかるコストは「買付時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つです。
つみたてNISAの対象となっている投資信託は、金融庁が定める基準により購入時手数料は0円(ノーロード)となっています。
なので、気にすべきコストは「信託報酬」と「信託財産留保額」の2つになります。
既に紹介した11ファンドの「信託報酬」と「信託財産留保額」は以下になります。(信託報酬が低い順番に並び替え)
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信託報酬は「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」が0.176%で最安となっており、「eMAXIS Slim新興国株式ファンド」が0.187%、「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」が0.208%と続いています。
「eMAXIS 新興国株式インデックス」「SMT新興国株式インデックス・オープン」「野村インデックスF・新興国株式」の信託報酬は0.66%なので、ファンドによっては結構差がありますね。
「信託財産留保額」は、上図で黄色で塗りつぶしているファンドはかからず、赤色で塗りつぶしているファンドは0.30%かかるといった構図になっています。
純資産編
では、続いて各ファンドの純資産を比較していきたいと思います。
純資産は一般的には30億円以上が好ましいと言われています。
純資産は大きければ規模のメリット(=スケールメリット)によって経費率を抑えられるようになります。(信託報酬が引き下がったりする)
一方で純資産が小さくなる(一般的には10億円未満を目安としている人が多い)と、繰上償還されて計画どおりに運用ができなくなってしまうリスクがあります。
つみたてNISA対象の新興国株式インデックスファンドを純資産の大きい順に並べ替えると以下のようになります。
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黄色で塗りつぶしているファンドは純資産30億円以上のファンドで、赤で塗りつぶしているファンドは純資産10億円未満のファンドになります。
「eMAXIS Slim 新興国株式インデックスファンド」が450億円と圧倒的で、「eMAXIS 新興国株式インデックス」が346億円、「SMT新興国株式インデックス・オープン」が243億円と続いています。
「i-SMT新興国株式インデックス(ノーロード)」は純資産が9800万円と10億円を大きく割り込んでいますが、上記11ファンドの中では設定日が一番新しいということも関係しているのではないでしょうか。
運用成績編
さいごに新興国株式インデックスファンド11本の運用成績を比較していきましょう。
「同じ指数への連動を目指しているんだから運用成績は同じなんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
実は、同じ指数への連動を目指していても売買のタイミングや偏りなど様々な条件が組み合わさった結果、ファンドの成績がベンチマークとズレてしまうことがあります。(トラッキングエラー)
では、これまで紹介してきた11ファンドの運用成績に乖離はあるのでしょうか。
2020年1月6日~2020年12月30日の基準価格をもとに直近1年間の運用成績を比較してみました。
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冒頭で説明したとおり、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」だけはFTSE Emerging Indexに連動する成果を目指しているので、他のファンドと比較して運用成績に大きな乖離が見られます。
若干の差はありながらもいずれのファンドも9~10%程度の運用成績となっています。
気になるのが、「たわらノーロード新興国株式」が5.33%と他のファンドと比較しても大きく劣後してズレていることですね。
まとめ:総合的には「eMAXIS Slim新興国株式」が◎
では、これまで解説してきた「コスト」「純資産」「運用成績」の観点から総合的にまとめていきたいと思います。
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これまで見てきた「コスト」「純資産」「運用成績」の観点から考えると個人的には、「eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド」が総合的に◎だと感じました。
MSCI Emerging Markets Indexへの連動を目指すファンドとしては信託報酬は最安(実質コストも0.426%と同カテゴリーでは最安)となっています。
また、純資産も約450億円と規模も大きく、繰上償還になる可能性も極めて低いです。
そして、純資産の規模が大きいためスケールメリットの効果も働き、段階的に信託報酬も引き下げています。(*直近は2020/9/25に信託報酬を0.2079%→0.187%に引き下げ)
直近1年間の運用成績を踏まえても同一カテゴリー間においては優れた成績となっており、他のファンドと比較しても大きな乖離等もありません。
次点で「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」や「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」が挙がってくるでしょうか。
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」は、同カテゴリー内では信託報酬は最安となっていますが、唯一違うのはベンチマークをFTSE Emerging Indexに設定していることです。
同じ新興国株式への投資にあたって、韓国を投資対象から外したい方やコストを最安に抑えたいという方には向いているファンドだと思います。
「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」は、純資産も約22億円あり、信託報酬も0.208%、2020年の運用成績も同一カテゴリー内では1番よかったです。
ただし、実質コストは0.687%(2020年1月17日付の交付運用報告書を参照)となっており、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックスファンド」(0.426%)と比較すると少し劣っている印象でした。
以上、参考にしていただければ幸いです。
*本記事はあくまで個人が作成した記事であり、情報の確実性を保証するものではありません。また、投資は自己責任でお願いします。