株主優待や高配当銘柄として非常に高い人気を集めている『オリックス(8591)』。
オリックスの株を既に保有している人やこれから購入しようと考えている人も多いのではないでしょうか。
私もオリックスのホルダー(株主)の1人ですが、なかなか決算短信などで業績を確認するのも面倒ですよね…
そこで、本記事ではオリックスの最新決算(2021年第3四半期)を踏まえたうえで、直近のオリックスの業績を分かりやすくまとめてみました。
本記事を読んでいただくことで、最新のオリックスの業績推移や動向が分かります。
「既にオリックス株を保有しているけれど、四半期ごとの決算を確認するのはめんどう…」
「これからオリックス株の購入を検討しているけれど、業績はどうなの?」
といった方々にぜひ参考にしていただければと思います。
・オリックスの業績を確認したい
・オリックスの株を保有している
・オリックスの株の購入を考えている
オリックスの最新の業績
最新の決算短信(2021年3月期第3四半期決算短信)より、直近2年間のオリックスの業績を「営業収益」「営業利益」「税引前四半期純利益」「当社株主に帰属する四半期純利益」「1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益(EPS)」を表やグラフに可視化してまとめました。

営業収益
まずは、オリックスの「営業収益」を見ていきましょう。
オリックスの「営業収益」は、一般的な企業の「売上高」に相当します。(金融業界の企業は「売上高」という表現は使用しません。)

2021年第3四半期連結累計期間の営業収益は、前年同期の1兆7177億円に比べて3%減の1兆6656億円になりました。
生命保険料収入および運用益や商品およぶ不動産売上高が増加したものの、サービス収益やオペレーティング・リース収益が減少しています。
営業利益
2021年第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期の2367億円に比べて18.2%減の1937億円になりました。

営業費用は、生命保険費用が増加したものの、支払利息やサービス費用が減少したため、前年同期の1兆4810億円に比べて1%減の1兆4719億円となっています。
営業利益…企業が本業で稼いだ利益のこと。
オリックスの場合…営業収益(1兆6656億円)-営業費用(1兆4719億円)=営業利益(1937億円)
税引前四半期純利益
2021年第3四半期連結累計期間の税引前純利益は、前年同期の3504億円に比べて40.2%減の2095億円になりました。

持分法投資損益が前年同期の542億円に比べて96%減の20億円、子会社・関連会社株式売却損益および清算損が前年同期の584億に比べて84%減の94億円となっています。
当社株主に帰属する四半期純利益
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2021年第3四半期連結累計期間の当社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期の2443億円に比べて41.9%減の1420億円になりました。

2021年度第2四半期と比べて影響額は縮小しているものの、「不動産(運営)」「航空機リース」「空港コンセッション」などは大きなダメージを被っています。
四半期の当期純利益の推移を以下のグラフで示していますが、ご覧のとおり、対前年比で大きく落ち込んでいるのが現状です。

また、2021年3月期第3四半期決算短信では、2021年3月期の連結業績予想において、通期の当社株主に帰属する当期純利益を前期比-37.2%の1900億円と予想しています。
EPS
続いて、株式投資を行うにあたって非常に重要な指標ともいえる「EPS」を見ていきましょう。
2021年第3四半期連結累計期間の1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益(EPS)は114.27円(前年同期は190.99円)となっています。

EPS(Earnings Per Share)とは「1株当たり純利益」を計算するもの。当期純利益を発行済株式総数で割って計算します。
ちなみにオリックスの発行済株式総数は期中平均で1,242,764,847株です。
オリックスは通期の当社株主に帰属する当期純利益を1900億円と予想しているので、2021年3月期通期のEPSは152円程度が見込まれます。
当期純利益とROEの過去10年間の推移
前項では、最新の決算短信をもとに直近2年の業績を比較しました。
本項では、過去10年間のオリックスの「株主帰属当期純利益」と「ROE」の推移をみていきたいと思います。(オリックスの財務データより作成)

グラフを見ると純利益とROEはともに右肩上がりとなっていましたが、2021年3月期は大きく落ち込みそうです。
純利益は想定どおり1900億円で着地した場合、2014年頃の水準になりますし、ROEも6.4%が想定されています。
配当性向
高配当株として人気を集めているオリックスですが、配当性向を確認しておくことは非常に重要です。
というのも、オリックスは2021年3月期の通期配当額は「1株当たり76円もしくは配当性向50%のいずれか高い方」と設定しています。
配当性向…その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているのかを%で示したもの。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
過去5年間の年間配当総額と配当性向をまとめました。

先述のとおり、通期の当社株主に帰属する当期純利益の予想値1900億円を用いると2021年3月期通期のEPSは152円程度が見込まれます。
ちょうど1株当たり配当金(76円)÷EPS(152円)=配当性向(50%)となるので、2021年3月期の純利益が1900億円を割り込んでくると減配の可能性も十分考えられそうな状態となっています。
まとめ:四半期ごとに決算短信を確認しよう!
以上、オリックス(8591)の業績を最新の決算短信をもとにまとめさせていただきました。
私自身、オリックスは長期で継続保有していく方針ですので、これからも四半期ごとの決算短信をもとに業績をアップデートしていこうと思います。
決算短信は数字と文字が小さく書かれているので、はじめのうちはなかなかとっつきにくいと思いますが、読み進めるとその会社の状況がコンパクトにまとめられています。
ぜひ、四半期に一度は簡単に決算短信を覗いてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。