高配当かつ魅力的な株主優待で非常に高い人気を誇っている日本株オリックス【8591】。
私も高配当+株主優待に惹かれてオリックスホルダーになった1人です。
そんな魅力的な日本株オリックスですが、みなさんどのようなイメージを持たれているでしょうか?
私も株を購入するまでは、プロ野球の球団オリックス・バファローズの印象が強く、銀行業や保険業、リース業をやっている会社というイメージでした。
イメージは間違っていませんが、実際にオリックスのコーポレートサイトで会社概要や事業内容を調べてみると思ったより幅広く多角的な事業を展開していることを知りました。
本記事では、オリックス【8591】についてどういう会社なのか、事業内容やビジネスモデルを中心に紹介していきたいと思います。
「オリックスのビジネスモデルについて知りたい」
「オリックスがどういう会社なのか知りたい」
「オリックスの株を購入しようと思っている」
という人に参考になるかと思います。
・オリックス株ホルダー
・オリックスの株を購入しようと検討している
・オリックスのビジネスモデルについて知りたい就活生
Contents
リースを起点に幅広い事業を展開するグローバル企業
オリックスは日本の独立系大手総合リース企業です。
設立は1964年で、リース事業からスタートしています。
このリース事業を起点に、隣接分野に進出して専門性を獲得することによって事業を進化させています。
リース事業は「金融」と「モノ(物件)」の2つの専門性を必要とします。
リースで培われた「金融」の専門性は、融資、投資、生命保険、銀行、資産運用業へと広がっています。
「モノ」の専門性は、自動車関連、不動産、環境エネルギー関連事業へと広がっています。

オリックスはこのようにリースを起点に事業を多角化し、現在では世界37カ国・地域に拠点を設け、グローバルに活躍している企業なのです。
設立当初はリース事業が中心でしたが、事業の多角化により利益構造も大きく変化しています。

1965年はファイナンス事業が100%といった利益構造でしたが、2019年にはファイナンス事業の利益シェアは17%になっています。
また、2019年には事業の利益が59%、投資の利益が24%と従来よりも収益源を増やし、安定化、多角化を進めていることも伺えます。
創業時からの利益推移は以下のようになっています。

リース業だけではなく、多角的に事業を展開したことで収益を年々伸ばしており、事業も分散化できているためリーマンショック時の危機も見事黒字で乗り切っています。
オリックスはリース業で括られることが多く、三菱UFJリースや三井住友ファイナンス&リースなどが競合として挙げられますが、前述のとおりオリックスは多様な事業を展開しているところに違いがあるといえます。
6つのセグメント
オリックスはリースを起点に事業を多角的に展開してきたことは先に述べたとおりです。
現在は、法人金融、メンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6つのセグメントから構成されています。
オリックスの最新決算(2020.3)より、各セグメント別の利益・資産が開示されています。

オリックスの2020.3期のセグメント利益は4,177億円です。
①海外事業(38%)
中でも1番大きく利益を上げているのが、海外事業(38%)です。
海外事業は、アセットマネジメント、航空機・船舶関連、企業投資、金融といった事業が該当します。

セグメント利益は1,564億円で前期比+310億円(+25%)です。
セグメントの利益は3年連続で右肩上がりとなっています。
2020.3期はNXT Capital(ローン組成・資産運用)で102億円、Avolon(航空機リース)で175億円と新規投資が利益に大きく貢献しています。
1番利益を出しているセグメントではありますが、海外での事業であるため為替の影響を大きく受けたり、リース、金融、資産運用といった分野はコロナウイルスなどの影響が大きい点に注意したいです。
②リテール(19%)
海外事業に続いてセグメント利益が大きいのが、リテール(19%)です。
リテール事業は、生命保険や銀行、カードローンが該当します。

セグメント利益は804億円で、前期比-38億円(-5%)となっています。
生命保険の保険料収入が増加しているものの、資産運用収益は減少しています。
オリックス生命の個人保険保有契約件数も右肩上がりで伸びていますね。
③不動産(18%)
不動産事業は、セグメント利益の18%を占めています。
不動産事業は、不動産の開発・賃貸・管理、施設運営、不動産の資産運用といった事業が中心です。

セグメント利益は、769億円で前期比-124億円(-14%)となっています。
大京とは、「ライオンズマンション」などのマンション開発を手がけている会社で、2018年にオリックスが完全子会社化しています。(それに伴い大京は上場廃止)
この大京については、消費税増税の駆け込みによる請負工事数増加により増益となっています。
④事業投資(13%)
事業投資はセグメント利益の13%を占めています。
事業投資は、環境エネルギー、企業投資、コンセッション事業が該当します。

セグメント利益は557億円で、前期比+175億円(+46%)と伸びています。
セグメント利益の内訳を見ていただければわかるとおり、事業投資の振れ幅が大きいですね。
コンセッションとは、空港や道路・上下水道などの公共施設について、施設の所有権を公的機関に残したまま、運営を民間事業者が担う事業形態のことです。
オリックスは関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港の運営にも携わっています。
コンセッション事業については、コロナウイルスの影響が大きく出てきそうです。(コロナウイルスの影響は21.3期以降)
また、環境エネルギー事業では国内の太陽光発電事業の稼働状況は右肩上がりで堅調に推移しています。
⑤メンテナンスリース(8%)
メンテナンスリースはセグメント利益の8%を占めています。
私たちがよく知るオリックスレンタカーによるレンタカー・自動車リース・カーシェアリングや電子計測器・IT関連機器などのレンタルおよびリース(オリックス・レンテック)がこのセグメントに該当します。

セグメント利益は337億円で、前期比-51億円(-13%)となっています。
自動車、レンテックともに増収だったものの、販管費の増加により減益となっています。
⑥法人金融サービス(4%)
法人金融サービスはセグメント利益の4%を占めています。
金融や各種手数料ビジネスがこのセグメントに該当します。

セグメント利益は146億円で、前期比-109億円(-43%)となっています。
国内営業は過去3年で大きく減少しています。
弥生とは、会計ソフト「弥生会計」や確定申告ソフト「やよいの青色申告」をはじめとする業務ソフト「弥生シリーズ」を開発・販売する会社です。
弥生は2014年にオリックス傘下となっています。
弥生は有償サポート会員増とパッケージ製品の売上増加により前期比でも利益が伸びていることが伺えます。
まとめ
以上、日本の高配当株&株主優待銘柄として人気が高いオリックスについて事業構造を紹介しました。
オリックスはリースを起点に事業を多角的に展開しているグローバル企業です。
現在は、法人金融、メンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6つのセグメントから構成されています。
株式投資を行うにあたって保有銘柄のビジネス構造や会社の理解を深めることは重要だと思っています。
本記事がオリックスホルダーの方々や今後オリックス株を購入しようと検討している方々の参考となれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。