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【書評/要約】『マンガでわかるバフェットの投資術』”投資の神様”から学ぶ

マンガでわかるバフェットの投資術

株式投資をやっている人なら「ウォーレン・バフェット」の名を誰でも1度は耳にしたことがあるでしょう。

投資の神様“や”オマハの賢人”とも呼ばれており、2021年のフォーブス世界長者番付・億万長者ランキングで6位にランクインしている超凄腕の投資家です。(推定資産額は10兆円超え)

バフェットの投資における年平均リターンは22.6%と驚異的であり、バフェットの投資術について詳しく知りたいという方もいらっしゃるかと思います。

そこでおすすめしたいのが『マンガでわかるバフェットの投資術』という本です。

本書はバフェットの投資術に共感し、その動向を追っている日本大学商学部教授の濱本明さんがバフェットの生き方や投資術を漫画で分かりやすくまとめた内容となっています。

バフェットに関連する書籍は複数出版されていますが、ウォーレン・バフェットがどういう人なのかを知るための最初の1冊として読みやすいと思います。

本記事では、『マンガでわかるバフェットの投資術』よりバフェットが重要視している投資の考え方を紹介していきます。

株式投資で運用成績を上げたいという方はぜひ参考にしていただければと思います。

こんな人におすすめ!!

・バフェットの投資術を知りたい
・投資で運用成績を上げたい

85%はグレアムから15%はフィッシャーからできている

バフェットの有名な言葉として、「まずまずの企業をすばらしい価格で買うより、すばらしい企業をまずまずの価格で買うほうがよい」というものがあります。

「まずまずの企業をすばらしい値段で買う」というのがバフェットの恩師であり、”バリュー投資の父”とも言われるベンジャミン・グレアムの考え方で、「すばらしい企業をまずまずの価格で買う」というのが”成長株投資のパイオニア”として知られるフィリップ・フィッシャーの考え方です。

40歳ごろまでのバフェットはグレアムの考え方【定量/割安株投資】を重視し、実際その手法で大きな利益を上げています。

しかし、その後は財務分析だけではなく、投資する企業のブランド力やネームバリューを評価し、投資を決断するといったフィッシャーの考え方【定性/成長株投資】を取り入れるようになります。

後年のバフェットは「私の85%はグレアムから、15%はフィッシャーからできている」と語っているように2人の投資理論から大きな影響を受けていることが伺えます。

以降では、バフェットの投資観に大きな影響を与えたグレアムの割安株投資とフィッシャーの成長株投資について重要な点をまとめていきます。

【グレアム提唱】バリュー投資の7つの基準

バフェットといえば、バリュー(割安)株投資のイメージが強いと思います。

バリュー投資とは、株を安く買って高く売る手法のことです。

既に述べたようにバフェットは恩師ベンジャミン・グレアムからバリュー投資を学んでいます。

特にグレアムは割安かどうかの判断も含めて詳細な財務分析を行い、「企業の本質的価値」を見極めることの重要性を説いています。

グレアムによると、企業の本質的価値はその「収益性」「安定性」「収益成長率」「財務状況」「配当金」「過去のチャート」の6つを分析する「定量分析」で判断でき、より具体的かつ実践的にするために以下の7つの基準を提唱しています。

①適切な事業規模か
→小型株はできるだけ除外する。小型株とは、時価総額や流動性が低い銘柄のことで、普段は値動きが少ないが、急な取引増加に伴って株価が大きく上下する危険性がある。

②財務状況は健全か
→製造業なら、年内に現金になる資産「流動資産」が、年内に支払うべき負債「流動負債」の2倍以上であること。また、来年以降に支払うべき負債「長期負債」が、流動資産からすべての負債を差し引いた「純流動資産」を超えないこと。

③利益は安定しているか
→最低でも10年間赤字がないこと。バフェットが最も重視しているのが、”利益の安定性”。バフェットは当期利益の安定性で評価している。

④配当はあるか
→20年間連続で配当を出していること。配当があるかぎり、企業の経営もある程度順調だと判断できる。

⑤利益の伸びはどうか
→過去10年間のうち、直近3年間の「1株当たり純利益(EPS)」が最初の3年間より最低33%以上は伸びていること。

⑥株価収益率は妥当か
→「PER(株価収益率)」が15倍以下であること。PERは市場平均や同業他社と比較したうえで判断すべきである。

⑦株価純資産倍率は妥当か
→「PBR(株価純資産倍率)」が1.5倍以下で、PERとPBRをかけた数値が22.5未満であること。

この基準に沿って判断したとき、最後まで候補に残った企業に投資すべきということになります。

そのような企業は本質的価値が高いにも関わらず、株価が低い状態にあるといえるからです。

このような株を割安株といい、グレアムは高く評価しています。

フィッシャーの15の質問

バークシャー・ハサウェイ買収後のバフェットは、グレアムの理論にフィッシャー理論を採り入れる形で実践してきました。

フィッシャーは企業の成長性に着目しており、事業内容や経営者の素質などで企業を判断する「定性分析」を重視しています。

そのフィッシャーが投資対象を選ぶ際に用いたのが、次の15の質問です。

この質問は、大まかに「売上拡大を続ける力を見るポイント」「利益を生み出す力を見るポイント」「経営者の質を見るポイント」の3つに分類できます。

売上拡大を続ける力を見るポイント①現在の製品・サービスで収益増は望めるか
②新しい製品・サービスで収益増は望めるか
③研究開発はなされているか
④独自のノウハウはあるか
⑤優れた営業部門はあるか
⑥長期的展望はあるか
利益を生み出す力を見るポイント⑦売上高営業利益率は十分か
⑧営業利益率を維持・改善しているか
⑨適切なコスト分析・財務分析がなされているか
経営者の質を見るポイント⑩労使関係は適切か
⑪管理職の能力は引き出されているか
⑫優秀な管理職は豊富か
⑬経営者は悪いニュースも報告しているか
⑭経営者は投資家に対して誠実か
⑮増資リスクはないか

以上が15の質問の概要であり、銘柄選びの際はこれらの質問を順番に確認していき、当てはまらなかった企業は投資対象から除外していきましょう。

実際にバフェットも1972年にフィッシャー理論を実践してシーズ・キャンディー社を買収し、大成功をおさめています。

安全マージン(安全域)を利用する

バフェットの投資の考え方を知るうえで外せないのが「安全マージンを利用する」というものです。

この考え方はバフェットが学生時代にグレアムの授業で学んだものの1つであり、バフェットが最も重要だと語っている考え方です。

グレアムによると、安全マージンとは、損失を軽くするために意識すべき価格差のことで、より具体的には「清算価値と時価総額の差」を意味します。

しかし、バフェットはこれを実践するにあたって「企業価値と時価総額の差」と定義し直し、企業価値が時価総額を上回っているほど安全だとしています。

たとえば、企業価値が83億円で時価総額が80億円の会社があれば、3億円が安全マージンとなります。

この差が大きければ大きいほどリスクは小さくなります。

なぜなら、そのような企業はPBR(株価純資産倍率)が1倍以下となり、もし今すぐに企業が倒産したとしても、すべての資産が株主に還元された際、株価以上の還元が受けられるからです。

グレアムやバフェットの考え方に従い、このような企業に投資をしていきましょう。

まとめ:大投資家の理論を踏まえた投資ルール

これまで述べてきたようにバフェットは安全性を重視するグレアムの理論を土台にしつつも、フィッシャーのように企業の中身を重視するものとして、独自に次のような指針を打ち出しています。

①事業内容が単純明快であること
→自分が分からない企業や分野は避ける

②安定した業績を誇っていること
→長期にわたって赤字や大きな収益の上下がなく、同じ製品やサービスを提供して好業績を上げている企業のほうが安全性も高い

③今後も成長が期待できること
→圧倒的なブランド力やネームバリューに加えて、強い価格決定権を持っていると、商品の値上げによってさらなる収益拡大が見込める。また、常に需要があり、代替品のないサービスを提供している企業は今後の見通しも明るい

偉大な投資家から投資理論を学び、実践を繰り返すことで自分の投資ルールを確立しているのが非常に素晴らしいと思います。

私も本書を読んで、バフェットの投資術で参考にしたい部分を今後活用して自分の投資スタイルを確立していきたいと思いました。

ぜひ、バフェットの投資術を学んでみたいという方は本書を読んでみてください。

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