生活防衛資金

【生活防衛資金はいくら必要?】生活防衛資金の役割と必要金額を解説

資産形成をはじめるにあたって最初に構築しておきたいのが、生活防衛資金です。

ただ、「生活防衛資金をいくら用意すべきか」という問いについては、いらないという意見から生活費の2年分といった意見まで幅広く展開されています。

結局、生活防衛資金はいくら用意すべきなんだろう…?
と考えたことがある人は多いと思います。

私も「生活防衛資金をいくら用意すべきか」については、結構考えました。

元も子もない結論をいうと、「この問いには正解がなく、自身の属性と想定する最悪のシナリオに基づいて決定すべき」になります。

ただ、これで終わってしまうと面白くないので、自分なりに出した生活防衛資金の役割と必要金額を20代から資産形成に取り組む立場から本記事で考えを述べていきたいと思います。

こんな人におすすめ!!

・「生活防衛資金はいくら必要なのか」を知りたい
・「生活防衛資金の役割」を知りたい
・資産形成に取り組みはじめようと思っている

生活防衛資金が果たす役割

まずは、生活防衛資金が果たす役割について説明します。

生活防衛資金とは、有事の際に自分を守るための資金のことです。

生活防衛資金があることで災害や病気、失業などによって自分の身に何か起こった時でも生活水準を落とさずに生活することができます。

私が資産形成に取り組むようになって生活防衛資金の概念に初めて触れたのは、水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』でした。

インデックス投資のバイブル『お金は寝かせて増やしなさい』では、生活防衛資金についてこのように述べられています。

生活防衛資金とは、リストラ・長期入院・災害などなにが起きても、自分と家族の生活をしっかり守るためのお金

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ)

災害や病気、失業といった嫌な出来事はいつ訪れるか分かりません。

特に災害大国日本では、今後何十年と生活していれば災害に直面することは多いと思います。

起きないことに越したことはないのですが、有事の際を想定して生活防衛資金を構築しておきましょう。

生活防衛資金に必要なのは「流動性」と「安全性」

生活防衛資金において満たしておきたい条件が、「流動性」と「安全性」です。

流動性とは、すぐ換金できるかどうかです。

日常でよく使う銀行の普通預金は、すぐにATMでお金を引き出すことができるので流動性が高いと言えます。

株式は売却することで現金化することができますが、受渡日は取引日から起算して3営業日目になるため普通預金と比べれば流動性は劣ります。

安全性とは、元本を毀損しないかどうかです。

普通預金は、預けていてお金が減ることはないので安全性が高いと言えます。(インフレリスクは考慮していません。)

一方、株式は増えることも、減ることも想定され、変動性が強いので安全性は低いと言えます。

流動性と安全性の観点から想定される金融商品をプロットしてみました。

やはり、流動性と安全性の双方の条件を満たす普通預金(定期預金)が生活防衛資金としておすすめです。

個人向け国債や社債も安全性は高い商品ですが、流動性が低いため生活防衛資金には不向きです。

生活防衛資金はいくら必要?

これまで生活防衛資金の役割と満たしておきたい性質について説明しました。

では、本題の「生活防衛資金はいくら必要なのか」に触れていきたいと思います。

この「生活防衛資金はいくら必要なのか」という問いには答えがなく、見解も様々ですので、いろんな考え方も交えて紹介していきます。

生活防衛資金は生活費3カ月で十分!?

生活防衛資金の必要金額について短い期間での多数派が3カ月分だと思います。

著名な方だと、経済評論家の山崎元さんが生活防衛資金は3カ月分で十分こちらの記事で述べています。

生活防衛資金の必要金額は生活費の2年分という意見も多い中で、山崎さんが生活防衛資金は3カ月で十分という結論に至った理由が以下です。

「富裕層には生活費2年分がいいかもしれないけれど、普通のサラリーマンが2年分のお金を別途貯めるまで投資を始められないとしたら、なかなか投資に取り掛かることができないな」と疑問を感じていた。そして、「株式や投信は部分売却ができて十分な流動性があるのだから、生活防衛資金は3ヶ月分くらいで十分だ」という意見に至った。

DIAMOND online 『投資に回さない「生活防衛資金」は3カ月分で十分といえる理由』 より

お金は使うためにあるという考え方に基づいて、投資をしながら予定外の大きな支出が必要になった場合は躊躇なく株式や投信を部分的に解約するといいという意見です。

生活費の3ヶ月分だと資産形成をはじめたてのサラリーマンでも貯めるハードルはグッと下がります。

生活防衛資金として普通預金にお金をたくさん眠らせておくよりも投資にお金をたくさん回すほうがよりお金に働いてもらうことができるので、投資をしないという機会損失は減らせそうです。

ただ、1番困るのが相場が暴落しているときに有事が起きた場合です。

リーマンショックや東日本大震災、コロナショックのような事態が起きた最中に失業してしまった時などが最悪です。

生活防衛資金が尽きたあとに、暴落している株や投資信託を売却するのは精神的にかなりしんどいと思います。

〇資産形成をはじめたてでもすぐ投資に注力できる
×最悪の事態の時の防衛力が弱い

生活防衛資金は生活費2年分必要!?

先に紹介した『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ著)では、生活防衛資金の目安について生活費の2年分と述べられています。

「世の中でなにが起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、絶対に自分と家族の生活を守るという一点をベースにして、投資戦略を考えるべきなのです」という考え方に強く賛同するとともに、「職を失うというリスクに対しては、最低2年はみておきたい」という目安を妥当だと考えたため、自分の投資戦略として採用したものです。

『お金は寝かせて増やしなさい』水瀬ケンイチ p59より

先ほど紹介した生活費3ヶ月分と比較すると2年分はかなり多く感じると思います。

水瀬さんは、2011年に起こった東日本大震災のことを思い出すと、生活の再建にあたって食料の確保に始まり、けがの治療、居住地の確保、仕事への復帰など、いろいろな段階を踏む必要があり、生活費の3ヶ月分や半年分では心もとないと感じたそうです。

リストラや長期入院などの個人的な問題であれば少な目の生活防衛資金でも対応できそうですが、災害大国日本において今後も大規模な災害への備えを想定すると生活防衛資金が生活費の2年分あるとかなり安心できると思います。

実際にリーマンショックや東日本大震災を経験しながらインデックス投資を続けてきた水瀬さんは生活防衛資金について、生活を守ってくれるだけでなく、心の安定も守ってくれる副次的な効果もあると述べています。

〇今後に大きな災害が起こった際でも安心することができる
×生活費の2年分貯めるのはなかなか時間がかかる

生活防衛資金は生活費6ヶ月分でよし!?

最後に私が必要だと考える生活防衛資金の金額について考えを述べます。

私は、通常より多く見積もった生活費の6ヶ月分を生活防衛資金の目標金額と定めています。

数字に落とし込むと、多く見積もった生活費(20万円)×6ヶ月=120万円です。

現在のところ、月に20万円も支出している訳ではありませんが、有事の際はゆとりがもてるように設計しています。

生活防衛資金の構築において言えることは、
生活防衛資金はあるに越したことはないということ」と
想定するシナリオと属性(家庭環境など)で大きく変わる」ということです。

私の場合、属性は20代の独身で、シナリオは転職(失業)を想定しています。

生活費の6ヶ月分と定めたのは、上記で紹介した生活費3ヶ月分と2年分の中間的な発想です。

やはり3ヶ月分だと有事の際に心もとないし、かといってコントロールできない災害に備えて2年分貯めるのも大変だと思いました。

生活防衛資金として流動性、安全性を兼ね備えた銀行の普通預金に生活費の6ヶ月分をプールして、生活防衛資金が足りなくなるような本当に最悪の事態には一部投資信託を売却しようと思っています。

そして、20代の独身というのが生活防衛資金の金額が相対的に低くてもなんとかやっていける属性です。

もちろん、結婚したり、家族が増えれば生活防衛資金の再設計が必要になります。

ただ、独身の場合だと仮に路頭に迷うことになっても、自分の生活コストを切り詰めれば生活していくことは可能です。

特に私の場合、通常より多く見積もった生活費(20万円)×6ヶ月=120万円で設計しているので、有事の際の生活コストを10万円に切り下げることができれば1年間は生活できます。

有事が起こらないことを願ってはいますが、少しでも余裕が持てるようにしています。

まとめ

以上、生活防衛資金の役割と必要金額について私なりの考えを紹介させていただきました。

生活防衛資金は有事の際に心の拠り所となってくれる大切な資金です。

ただ、いくら生活防衛資金を形成すべきかは「何を想定するか」と「属性」によって大きく変わると思います。

そして、この問いには正解がありません。

なので、いざという時は生活費を切り詰めてやっていけるという人は必要金額が相対的に少なくても大丈夫だと思いますし、もっと余裕を持って生きたいという人は相対的に必要金額が増えると思います。

あくまで今回紹介した、生活防衛資金の必要金額については参考程度に自身で必要な生活防衛資金の金額を考えてみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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