株式

【書評/要約】『年率10%を達成する!プロの「株」勉強法』栫井駿介|長期投資の真髄が学べる本

・これから長期的な視点で投資をやっていこうと考えているんだけれど、何か参考になる投資手法はないかな…
・これまで短期で投資をやってきたけれど、日々の株価の動きが気になって仕事にも集中できないし、勝率もあんまり良くないな…

上記のような悩みを抱いている方にぜひ読んでほしい本があります。

つばめ投資顧問代表栫井駿介さんの著書『年率10%を達成する!プロの「株」勉強法』です。

本書では長期投資を推奨しており、なぜ長期投資がいいのか、どういった企業に投資をしてどんな手法で長期投資を行っていけばいいのかなどが分かりやすく解説されています。

特にバリュー株投資の基本や本質的な考え方を学ぶことができ、長期投資で買うべき企業のポイントなどが紹介されている点が非常に勉強になりま

また、バリュー株投資で成功してきた”投資の神様”ウォーレン・バフェットの考え方や名言などにも触れられていたり、巻末ではバリュー株長期投資に際して役立つおすすめの本も掲載されている点も非常によかったです。

本記事では、『年率10%を達成する!プロの「株」勉強法』よりバリュー株長期投資において最も重要だと感じた長期投資で買うべき企業のポイントとタイミングについて要約して紹介していきます。

こんな人におすすめ!!

・これまで短期投資を行っており、なかなか運用成績がよくなかった
・バリュー株投資の基本的な考え方や本質について学びたい
・長期的な視点でお金持ちになりたいと考えている

著者:栫井駿介

著者はつばめ投資顧問代表で投資系Youtuberとして活躍されている栫井駿介さんです。

栫井さんは鹿児島県の出身で県内の公立高校から東京大学経済学部に進学しています。

東京大学では最先端の金融理論を学び、卒業後は大手証券会社の投資銀行部門に就職します。

証券会社時代では株式投資について多くのことを学んだのち、2016年に退職して自身で投資顧問会社「つばめ投資顧問」を設立しています。

証券会社退職後は会社員時代に封印されていた株式投資を自身ではじめ、現在では500名超の個人投資家相手に堅実かつ実践的な長期投資のアドバイスを行っています。

投資顧問として推奨する銘柄については名前を挙げるだけではなく、全て自らのお金でも投資をするといった「パイロット運用」を実践しており、運用に対しても責任や緊張感を持って高いレベルを目指しているそうです。

そんな著者が株式投資の勉強をすることは東大に入ることよりも刺激的であり、資本主義社会を生き抜く上で大切なスキルを身につけることができるといった主題をもとに株式投資の面白さや魅力が紹介されているのが本書です。

長期投資で買うべき企業のポイント

本書で紹介されていた長期投資で買うべき企業のポイントがこちらです。

長期投資で買うべき企業

①業績が伸びていること
②成長意欲があること
③ビジネスの強みがあること
④財務的に無理がないこと
⑤割高すぎないこと

①業績が伸びていること

長期投資は原則として企業の成長に賭ける投資です。

業績を正確に予想することは難しいですが、ある程度の方向性は過去数年の業績推移をみれば分かります。

そして、成長を確認するうえで最も大切なのが純利益の推移です。

いくら売上高が伸びていても、利益率が下がり続けていると「成長」ではなく、単なる「肥大化」の恐れがあります。

最終的に株主のものとなるのは純利益ですので、純利益の推移を確認しましょう。

②成長意欲があること

いくら過去の業績がよくても、そこからさらに成長する意欲がなければ成長を続けることはできません。

成長を続けるためには経営者の意欲を見極める必要があり、そのために有効なのが「経営計画」になります。

「経営計画」では経営者が今後数年、場合によっては数十年にわたる経営の方向性や会社のポリシーを示しています。

多くの企業が中期経営計画をパワーポイント資料でまとめていますが、著者は有価証券報告書の記述を参考にしているそうです。

有価証券報告書は基本的に文字情報のみなので、中身の濃さが会社によって一目瞭然だからです。

中には、経営者自らが書いたと思える魂の入った文章を目にすることがあり、そのような会社には強い信頼感を持てるといいます。

③ビジネスの強みがあること

ウォーレン・バフェットも非常に重視しているのがビジネスの優位性です。

成長企業でもビジネスの強みがなければ、長期的には衰退していく可能性があります。

バフェットの保有している銘柄でも代表的な企業にコカ・コーラがありますが、コカ・コーラは世界中でビジネスを行っており、誰もが一度は口にしたことがあると思います。

コカ・コーラは世界中でブランドが認知されており、今更コカ・コーラに対抗して新たなコーラが開発されてもほとんどの人からは見向きされないでしょう。

それほどのビジネスの優位性を持っているコカ・コーラは株価も長期にわたって伸びており、連続増配も行うなど株主に大きな恩恵をもたらしています。

④財務的に無理がないこと

財務的な危険性を見極めることは決して簡単ではありませんが、本書では初心者に確認すべき項目として以下の3つを紹介しています。

・営業(フリー)キャッシュフロー:マイナスでないか
・借入金:売上の規模に対して増え続けていないか
・のれん(企業を買収した時に生じるもの):自己資本より大きくないか

財務的に無理をしている企業はなんの前触れもなく突然窮地に陥ることがあるので、財務的におかしいと感じた企業への投資を避けることが大切です。

⑤割高すぎないこと

PERなどのバリュエーションを確認することも非常に大切です。

どんなによい企業で、どんなに成長していても、高すぎるバリュエーションの株は上がり続けることはなく、むしろ下がる確率が圧倒的に高くなります。

なぜなら、長期的な株価は最終的には業績の水準に収束していくからです。

PERなどのバリュエーションの確認は株式投資の中でも非常に難しい部分ではありますが、著者は初心者のうちはPER50倍を超える銘柄には手を出さないことをお勧めしています。

長期投資で買うべき企業のポイントについて簡単に紹介させていただきましたが、これに反する企業に投資するのは控えましょう。

長期投資で買うべきでない企業

①業績が伸びていない
②成長意欲がない
③ビジネスの強みがない
④財務的に厳しい
⑤株価が割高すぎる

安全域がある銘柄を買え

本書で推奨しているバリュー株投資とは企業の業績や財務状況から導き出されるあるべき価値よりも安い価格で株を買う方法です。

単純化した具体的な例を挙げると、本来1000円の価値があるものを500円という割安値で買うということです。

先述した長期投資で買うべき企業のポイントに合致する銘柄を購入することによって長期的な株価の上昇は期待できますが、それに加えて「いつ買うか」を明確にすることで損失を避け、なおかつ長期的な利益も上がりやすくなります。

長期的な損失を回避し、利益を出す確率を上げるために著者は「安全域のある銘柄を買うこと」を推奨しています。

安全域とは、推測に基づく将来的な企業の価値と現在の株価の差のことでバフェットが名付けた用語です。

具体的にどうやって推測していくかというと、まずは長期投資で買うべきポイントに合致する企業の売上の伸びや費用を推測することによって将来の業績から純利益までを導き出していきます。

企業の価値(時価総額)は純利益×PERで表されるので、先ほど導き出した将来の純利益に適正なPERをかけることによって企業のあるべき価値が推測できます。

例えば、ある企業の純利益が現在100億円で、3年後に150億円になると推測します。

3年後の時価総額はPER15倍をかけて2250億円(150億円×15)くらいを妥当な水準だと考えた場合、この会社の時価総額が現在2000億円程度で売られているとしたら250億円の安全域があり、買ってもいい水準となるわけです。

企業の将来の業績の予測やその企業の適正なPERの見極めは非常に難しいですが、安全域があるかどうかを確認して投資をすることでさらに投資の勝率は上がっていきます。

安全域の見極めは非常に難しいので、単純にこれまで紹介した長期投資で買うべき企業でリストアップした企業を○○ショックなどの暴落時などに買うといった戦略もアリだと思います。

まとめ:長期投資の真髄

以上、栫井駿介さんの著書『年率10%を達成する!プロの「株」勉強法』より個人的に勉強になったバリュー株長期投資のポイントについて簡単にまとめてみました。

本記事では個別株の長期投資法としてバリュー株投資の本質的な部分を紹介させていただきましたが、本書では併せてつみたて投資のメリットなども紹介されています。

つみたてNISAなどを利用して長期的な視点でコアとなる資産を形成しながら、個別株としてバリュー株長期投資を併せて行うという点は非常に素晴らしい投資戦略だと思います。

バフェットの投資手法に影響を受けた著者がバフェットが行っているバリュー株長期投資の基本的な考え方や名言なども紹介されているので、本書を読んで非常に勉強になりました。

ぜひ、これから長期投資をはじめてみようという方にはおすすめできる本ですので気になった方は読んでみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。