金融資産形成

長期投資における配当の重要な役割|『株式投資の未来』ジェレミー・シーゲル

こんにちは、大谷翔平世代の資産形成家アークです。

ついにこれまでずっと読みたいと思っていたジェレミー・シーゲル先生の著書『株式投資の未来』を読み終えました!!

投資の世界に足を踏み入れた時からこの本の評判は聞いており、これまでにも多くの投資家の方々が影響を受けた本として本書を挙げられているところを目にしてきました。

実際に私も本書を読んで、株式投資における重要な事実をたくさん知ることができました。

中でも私が印象に残ったのは、長期投資において配当こそが投資家のリターンを押し上げるという事実です。

私のような20代で長期投資を目指す者にとっては、あまりにも重要すぎる内容でした。

私もこれまで本であったり、Twitterを通して多くの投資家の方々のブログやツイートを拝見して、配当金の魅力や重要性については学ばせていただきました。

本書がよかったのは、これまでの過去の米国市場において精緻な分析がなされており、そこから重要な事実を学ぶことができたり、理論的な体系に基づいて配当の重要な役割を学ぶことができたことです。

本書に書いてある内容はいずれも重要かつ素晴らしすぎて網羅的に紹介することはできませんが、個人的に印象に残った配当の重要性について少しまとめていきたいと思います。

もし、興味を持たれた方は実際に『株式投資の未来』をぜひ読まれてみてください。

こんな人におすすめ!!

・長期投資をやっている/やりたい
・配当金に興味がある/すでにもらったことがある
・『株式投資の未来』という本に興味がある

配当こそ投資家のリターンを押し上げる最大の要因

まずは、長期投資家にとって絶対に知っておいてほしい重要なこと。

それは、配当こそがこれまで投資家のリターンを押し上げてきた最大の要因であるということ。

本書では、S&P500の当初構成銘柄を対象に、配当を再投資した場合のリターンが記録されています。

そこで、浮かび上がった重要な事実として、長期的に高い運用成績を達成した銘柄は、たいていの場合、配当を再投資したことがその最大の理由となっているとのことです。

配当は長期投資における投資家のリターンに対して大いに物を言い、配当を再投資することは非常に重要だと言います。

実際に本書で行われた調査において、配当利回りが高い銘柄を選んでポートフォリオを組んだところ、そのリターンは市場平均を年率3ポイント上回っています。

逆に配当利回りが低い銘柄を選んだポートフォリオのリターンは、市場平均を年率約2ポイント下回っています。

また、市場全体に投資をした場合においても長期投資における配当の再投資の威力は驚異的です。

本書は2005年11月28日に初版が発行されていますので、調査期間は1957年から2003年までとなっています。

最近の相場環境が加味されている訳ではありませんが、この1957年から2003年の46年間においてS&P500のインデックスファンドを1000ドル買い、配当をすべて再投資にまわしたとしたら、2003年にいくらになったと思いますか?

この期間において、配当を再投資し続けると当初の1000ドルは約12万5000ドルになったと言います。

なんと、125倍…!!驚異的すぎる!!

めちゃくちゃアバウトですが、1ドル=100円で為替が動かなかったとして日本円で換算すると1957年の10万円が、2003年には1250万円になったという換算です。

長期投資における配当金の再投資。めちゃくちゃ夢が広がりました。

私もまだまだ20代の前半なので、この分析と同じような期間投資をすることが可能です。

今は積み立てNISAによる投信の積み立てが軸の投資になっていますが、少しずつ高配当株を保有していきたいと思いました。

相場下落時に果たす配当の2つの役割

長期投資において配当が投資家にもたらすリターンの最大の要因となることをこれまで伝えてきました。

また、これは当たり前と感じられるかもしれませんが、配当利回りが高い企業ほど投資家にもたらすリターンも高くなることも本書では証明されています。

配当利回りとは、1株あたりの配当金を株価で割った指標のこと。

たとえば、1株あたりの配当金が100円だとして、株価が2000円だとすれば、配当利回りは5%となります。

配当利回りが高い株式を一般的に高配当株と呼びますが、この高配当銘柄は市場サイクルのどの局面でも好成績を残しているとのことです。

長期投資において相場の好不況はつきものです。

そんな長期投資において市場サイクルのどの局面でも好成績を残すなんて一体どういう仕組みになっているんだ…?

本書では、相場下落時の配当が果たす2つの役割が紹介されています。

①下落相場の安全装置(プロテクター)

まず、1つ目が相場下落時の安全装置(プロテクター)

相場下落時においては、配当の再投資を通じて保有株を余分に積み増すことができるので、これがポートフォリオの価値下落を受け止めるということです。

この相場下落時というのは、通常よりも安く(つまり、たくさん)株を仕入れることができます。

相場下落時は悲観的な投資家による狼狽売りも多く、平常を保って投資をするのは少し心理的に難しい面もありますが、本書のように長期投資において配当金を再投資するスタイルを貫いているとすると、この相場下落時に配当金の再投資を通じてたくさんの株を購入することができます。

配当により株が購入されることで、ポートフォリオ全体で見た場合に資産が積み増しされる訳なのである程度の価値の下落を受け止めることにもなります。

②リターンの加速装置(アクセル)

そして、相場下落時に買い増した株式は、相場がいったん回復すれば、保有株数が以前より増加しているので、将来のリターンが加速していきます。

これをリターンの加速装置(アクセル)と本書では紹介されています。

相場下落時においても配当はこの2つの役割を果たしてくれるからこそ、長期投資において投資家により多くのリターンを生み出してくれているということです。

高配当株は市場サイクルのどの局面でも好成績を残していると先に述べましたが、高配当株の方が好成績を残すことができているのは、高配当株の方がより大きくこの2つの役割を果たしてくれるからです。

本書に記載されているものと同じ表を作成してみました。

株価下落から回復までの年数

この表からわかるとおり、配当利回りが高いほど、損失を回復するまでの期間は短くなっています。

図の見方としては、配当利回りが2%の株式が相場の下落によって株価が20%下落したとすると、その株が損失を回復するまでの年数は45.6年かかるということです。

また、配当利回りが5%の株が50%も株価が下落した場合は14.9年で回復しています。

このように配当利回りが高いほど、損失を回復するまでの期間が短くなっており、株価の下落幅は大きいほど、損失回復までの期間が短くなっています。

これは先ほど述べた相場下落時の2つの役割が効いており、株価の下落が激しいときほど、配当再投資による保有株の積み増しのペースが加速しているからということになります。

配当を維持する限り、株価の下落は配当利回りの上昇を意味するので、株価が下がるほど、投資家の保有株積み増しペースが加速する

おわりに

いかがでしたでしょうか。

私も本書を読んで、長期投資における投資スタンスについて大きな影響を受けました。

直近の相場環境において、景気後退が囁かれる場面が増えてきましたが、この『株式投資の未来』を読めば、投資を辞める必要がないことが分かります。

過去の歴史が繰り返してきたように相場には好不況という市況サイクルがあります。

本書で示されているのはあくまで長期投資における配当再投資という戦略を投資スタンスに据えて実行できた場合の結果です。

いくら投資スタンスを自分の中で決めていても実行できなければ、それはあまり意味がありませんし、逆に自分の中で投資スタンスを据えていないと相場が大幅に下落したときにまわりにつられて狼狽売りしてしまう可能性もあります。

もし、長期投資を考えている方は、本書では上記で述べてきた長期投資における配当の重要性以外にも学べる要素が盛りだくさんだったので、ぜひ本書に目を通されてみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。