金融資産形成

経済成長理論に基づくAI時代の経済予測

こんにちは、20代の資産形成家アークです。

先日、加谷珪一さんの著書『億万長者への道は経済学に書いてある』を読みました。

私も学生時代は経済学部で経済学の理論等を学びましたが、本書はマクロ経済学の基本とその理論をもとに実際の投資で儲かるポイントが紹介されていました。

マクロ経済学は結構苦手としている方は多いですが、株や債券、為替、不動産などを扱うにあたっては非常に重要ですので、勉強しといて損はない分野だと思います。


本書を読んで、個人的に学びが大きかった経済成長理論とこの理論を用いたAI時代の投資について紹介していきたいと思います。

こんな人におすすめ!!

・マクロ経済学について学びたい
・経済学について学んだことがある
・億万長者になりたい
・AI時代の投資について知りたい

著者について

著者は経済評論家であり、投資家でもある加谷珪一さんです。

東北大学工学部原子核工学科を卒業後、新卒で日経BP社に記者として入社しています。

その後野村證券グループの投資ファンド運用会社に転職し、企業評価や投資業務を担当。

独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事されています。

現在は、ニューズウィークや現代ビジネスなど数多くの媒体で連載を持っているとのこと。

著者自身も経済学の知識を使って億を稼いでおり、個人投資家としても億単位の資産を日常的に運用しているそうです。

本書の主題も経済学の知識を使って利益を得るとなっています。

経済成長理論

みなさん、経済成長理論というのをご存知でしょうか?

私もなんとなくは知っていましたが、改めて数式等を含めて学習しました。

この経済成長理論というのは、長期的な経済成長に対するひとつの見方を示すものです。

私のような20代のインデックス投資家は、長期的な視点で投資対象を定める必要があるので、ぜひ知っておいてほしいです。

結局インデックス投資も長期的な視点で投資を行い、投資先が経済成長していかないとそれを上回る資本収益は得られないですからね。

経済学の世界では、生産力を決める要素は大きく分けて3つあると言われています。

①資本(お金)
②労働(人)
③イノベーション(技術革新)

の3つです。

極論すると、たくさんお金を投じて、人が働き、そこにイノベーションが加わると経済が大きく成長するということです。

しかし、上記3つのうち資本(お金)と労働(人)についてはむやみやたらに投じればいいというものではありません。

企業が生産量を2倍にしたいと考えている場合に、単純に設備を2倍にしても意味はありません。

結局その設備を増やしても、その設備を動かす人が足りないと効果が発揮されないからです。

もう少し詳しくみていきたいので、第3次産業革命の中心となったコンピューターやインターネットを例にとってみましょう。

コンピューターやインターネットがなかった時代の企業を想像してみてください。

これまでは手書きで提案書を作成していたり、アナログでの作業が中心でした。

そこにパソコンが登場します。

最初は2人に1台しかパソコンが割り当てられていません。

この場合は、パソコンがなかったころの時代と比べれば、生産性は上がっていますが、1人1台使えるようになるともっと生産性が上がりますよね。

しかし、1人2台パソコンが割り当てられたとしても、生産性が2倍になるわけではありません。(ここが、さきほど述べた設備を2倍に増やしても生産量が2倍にはならないということ)

結局のところ、パソコンも人が動かすものである以上、そのパソコンを十分扱える人を雇わなければ生産量を上げることはできません。

つまり、人と機械は相互に投入しなければ順調に生産を拡大させることはできないのです。

この状態を数式で示したものが生産関数です。

生産関数

Kは資本(設備投資)、Lは労働量(従業員の労働)、Aはイノベーションの度合い、aは資本分配率を示しています。

先ほどの例でみると、Kがパソコン、Lは従業員、Aがコンピューターやインターネットによるイノベーションといったところになるでしょう。

資本分配率と労働分配率が対称関係になっているのは、先に述べた人と機械の関係性が理由です。

この式をよく見ていただけると、資本を増やしたり、労働を増やしていくと最初は生産量が伸びるものの、やがてその伸びが鈍化してくるような曲線を描くことが分かります。

ここで重要な意味を持ってくるのがイノベーションです。

より少ない労働力で同じ機械を動かせるのであれば、資本を投じてたくさんの機械を設置することで生産を飛躍的に伸ばせます。

最終的に経済成長のカギを握っているのは、イノベーションというわけです。

整理すると、お金や人が豊富でイノベーションが活発な国がもっとも経済成長するということになります。

私がインデックス投資において、アメリカの比重を大きくしているのもこれが理由となります。

アメリカは世界一の経済大国で、人口も今後増え続けますし、技術革新を起こし続けれる企業が多いですからね。

AI時代の投資

これまでにも第1次産業革命では、蒸気機関が普及しました。

続く第2次産業革命では化学、電気、石油といった内燃機関が、第三次産業革命では、コンピューターやインターネットが普及しました。

これらのようなイノベーションが起こったことで生産性も大きく上がり、飛躍的に経済成長が拡大していきました。

今後についても様々な分野でイノベーションが起きることが期待されています。

AI、ロボティクス、ブロックチェーン、ゲノム解析など期待される分野は大きいです。

中でもAI(人工知能)社会の到来は注目度は非常に高くなっています。

そこで、今回はAI時代の到来について先ほどの理論も併せて、将来の株価の動向を考えていきたいと思います。

ここ数年は、新聞記事や報道でよく見かけますが、AIによって多くの仕事が奪われると言われていますよね。

このように社会のAI化が進むと、業務のかなりの部分がAIやロボットに置き換えられていくことが予想されます。

この場合、企業は積極的にAIへの投資を行い、労働者への依存度を減らしていくはずです。

人よりも機械の方が扱いやすいですし、コストも一定で済みます。

そうなると、先ほどの生産関数においては、労働分配率が著しく低下し、逆に資本分配率が増加することになります。

労働分配率が著しく低下したときというのは、生産力のグラフがかなり直線に近くなるので、これまでとは違いロボットやAIに追加投資をした分がそのまま生産拡大につながります。

なので、企業は半ば無制限に生産量を拡大できるという解釈が成り立ちます。

このようにAI経済の世界では、多くの労働者が不要となるので、得られた付加価値を受け取る国民の数が減ってしまうことになります。

極論すると、AIに投資をした投資家だけが配当などの利益を受け取ることになります。

ただ、労働の対価として所得を得る国民が減ってしまうと、今度はAIやロボットを使って生産した製品やサービスを購入する人がいなくなってしまいます。

つまり、需要が大きく減ってしまうというわけです。

なので、これを避けるために一部の識者は、AIが生み出す利潤を何らかの形で国民に再分配する機能が必要と主張しています。

それが、AI等の本を読むとよくみかけるベーシックインカムといった制度になるわけです。

ベーシックインカムという制度を初めて知ったときは、めちゃくちゃAI時代の到来が待ち遠しくなりました。

ただ、ベーシックインカムが今後実現するかどうかは全く分かりません。

もし、ベーシックインカムのようなAIが生み出した富を国民に再配分する機能があれば、国民は、多くの時間を消費に使うことができるので、1人あたりの需要は飛躍的に伸びると考えられます。

そうなってくると従来の常識では考えられなかった水準で、需要と供給が拡大することになり、企業の株価も大きく上昇していくと考えられます。

・経済成長を決めるのは、資本、労働、イノベーション
・中でもイノベーションによる経済成長への寄与度は高い
・社会がAI化すると、労働の比率が低下し、資本の比率が高くなる(労働者への還元が少なくなる)
・所得の再分配を実現できれば、経済や株価に好影響となる可能性が高い

おわりに

いかかでしたでしょうか。

ぜひ、これから長期投資を考えられている方には経済成長理論を知っておいてほしいです。

最後に本書に書かれていた内容で共感できた部分を引用させてください。

短いタームでは、市場は様々な動きを見せるが、長いタームでは、経済学の基本ルールに沿って動く

『億万長者への道は経済学に書いてある』 加谷珪一

確かに短期での運用は何が起こるか分かりません。

ただ、長期的な運用を考えているのであれば、経済学を学んでおくということは非常に重要だなと改めて感じさせられました。

市場の暴落時などにもしっかりと自分なりの経済知識を身に着けて先を見通していれば、焦って売ってしまうということもなくせると思うので、今後も経済学の勉強は続けていきたいと思いました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。