「eMAXIS Neo ドローンってどんなファンドなの?評価は?」
ドローンはもともと軍事用途として普及していましたが、現在は娯楽や商業分野で期待されている注目のテーマです。
ドローンの将来性に期待している方も多いと思いますので、本記事ではドローンをテーマにしている注目ファンド「eMAXIS Neo ドローン」の特徴や魅力を紹介していきます。
「eMAXIS Neo ドローン」の特徴をはじめ、組入銘柄や運用成績を紹介していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
・eMAXIS Neo ドローンの中身を詳しく知りたい
・ドローンというテーマに将来性を感じる
・eMAXIS Neo シリーズに興味がある
Contents
eMAXIS Neo ドローンの特徴
では、まず最初に「eMAXIS Neo ドローン」の特徴を紹介します。
AIが銘柄を選定する”新時代のインデックスファンド”

まずはeMAXIS Neoシリーズの概要を説明します。
eMAXIS Neoとは、eMAXISシリーズでお馴染みの三菱UFJ国際投信が設定している投資信託のシリーズのことです。
最大の特徴は、AI(人工知能)が米国の金融商品取引所に上場している銘柄の中から対象のテーマごとに銘柄を選定し算出する「S&P Kensho ニューエコノミー指数」に連動することを目指す、新時代のノーロード・インデックスファンド・シリーズであるということです。
同シリーズは2020年末で合計純資産残高が200億円を突破しています。(2020年12月29日時点)
将来性や高い成長性が期待される9つの革新的なテーマを取り扱っています。(「遺伝子工学」「ロボット」「宇宙開発」「ドローン」「バーチャルリアリティ」「ナノテクノロジー」「フィンテック」「ウェアラブル」「自動運転」)
eMAXIS Neoシリーズ9ファンドの2020年12月28日時点の純資産は以下のようになっています。
ファンド名 | 設定日 | 純資産総額 | |
1 | eMAXIS Neo 自動運転 | 2019/5/28 | 88.9億円 |
2 | eMAXIS Neo バーチャルリアリティ | 2018/12/3 | 25.3億円 |
3 | eMAXIS Neo ナノテクノロジー | 2018/12/3 | 18.4億円 |
4 | eMAXIS Neo 遺伝子工学 | 2018/8/6 | 15.2億円 |
5 | eMAXIS Neo 宇宙開発 | 2018/8/6 | 13億円 |
6 | eMAXIS Neo ウェアラブル | 2019/5/28 | 12.4億円 |
7 | eMAXIS Neo フィンテック | 2019/5/28 | 11.7億円 |
8 | eMAXIS Neo ドローン | 2018/12/3 | 8.6億円 |
9 | eMAXIS Neo ロボット | 2018/8/6 | 7.9億円 |
今回紹介する「eMAXIS Neo ドローン」は同シリーズにおいて純資産総額は8.6億円(2020年末時点)と相対的に人気がありません。
これまでにもAIが一部運用するようなファンドはありましたが、eMAXIS Neoは銘柄選定を全てAIが行っています。
AIが数百万ページ以上の企業の開示資料等を自動で読み込み、テーマに関連するコトバの有無を基本に銘柄を自動で選んでいます。
AIが運用することによって、銘柄の取りこぼしが少なく、テーマの恩恵を十分に享受することが期待されています。
人間と違ってAIには迷いや不安といった感情が一切ないため、読み込んだ過去のデータに基づきより精緻な運用ができるのでしょう。
AIの運用技術自体もこれから注目されると思いますので、AIの腕前を見るという点でも興味深いファンドだと思います。
Kensho Drones Indexに連動
「eMAXIS Neo ドローン」はKensho社が開発したS&P Kensho Drones Index(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。
Kensho Drones Indexは、遠隔操作または無人のドローン、水中ドローン、及び表面ドローン市場に特化している企業のパフォーマンスを測定するように設計されています。
ビジネス戦略の主な構成要素としてドローン関連事業に特化している企業や、ドローン業界に従事しているサプライチェーン企業から構成されています。
S&P500指数と対比した過去3年間のパフォーマンスは以下のとおりです。

3年前(2018年2月22日)を100とした場合、
S&P Kensho Drones…190.94
S&P 500…151.82
過去3年間の運用成績を比較してみると、S&P Kensho DronesはS&P500指数と同等もしくは劣後した運用成績だったものの、直近で大きく巻き返していますね。
コストは少し高い
「eMAXIS Neo ドローン」の基本情報をまとめました。
購入時手数料:なし
信託報酬:年率0.792%(税込)
信託財産留保額:なし
設定日:2018年12月3日
信託期間:無期限
決算日:8月17日
純資産:2313百万円(2021/1/29時点)
コストは少し高いといったところでしょうか。
購入時手数料と売却時のコスト(信託財産留保額)はかかりません。
信託報酬は年率0.792%となっており、業界最安のインデックスファンド(約0.2%)と比較すると相対的に高く、アクティブファンド(約1.6%)と比較すると相対的に安いといった立ち位置です。
まさにインデックスファンドとアクティブファンドのちょうど中間といったコストですね。
売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用を加味した実質コストは0.966%となっています。
設定日は2018年12月3日で同シリーズの「バーチャルリアリティ」「ナノテクノロジー」と同時期に設定されています。
純資産は2021年1月29日時点で23億1300万円となっています。
eMAXIS Neo ドローンの組入銘柄
「eMAXIS Neo ドローン」の投資地域と業種、組入上位10銘柄は以下のようになっています。(2021年1月の月次運用レポートより抜粋)

投資地域はアメリカが約8割(81.5%)を占めており、イスラエル(8.1%)、ケイマン諸島(3.8%)、イギリス(3.2%)と続いています。
セクターは「資本財」が73.3%と大きな比率を占めており、「テクノロジー・ハードウェア・機器」が6.8%、「半導体・半導体製造装置」が6.2%…と続いています。
また、特徴的なのは組入銘柄が24銘柄しか入っておらず、集中投資になっていることです。
同ファンドは”新時代のノーロード・インデックスファンド・シリーズ”と謳われていますが、実態はアクティブファンドに近いです。
集中投資のため、リスク・リターンは非常に高いですし、テーマ型は流行り廃りも激しいので注意が必要です。
組入上位3銘柄を紹介
では、組入上位3銘柄を紹介していきます。
1位 アグイーグルエアリアルシステムズ(組入比率20.5%)
組入銘柄第1位はアグイーグルエアリアルシステムズ(UAVS)です。
なんとこの銘柄が20.5%も占めています!
農業市場向けにUAVs(Unmanned Aerial Vehicle)またはドローンのような小型無人航空機を設計・製造・販売し、サポートを行っている企業です。
製品は近赤外線画像を使用して作物データをキャプチャするNIRフィルタを備えたカメラを搭載しており、畑の空中写真を提供するのに適した特性を持っています。
2位 エアロバイロンメント(組入比率6.5%)
米国の無人飛行機メーカーのエアロバイロンメント(AVAV)が組入第2位となっています。
無人飛行機とエネルギーシステムの設計、開発、製造、サポート、運営に従事している企業です。
米国国務省に無人飛行機、戦術ミサイルシステム、および関連サービスを提供しています。
また、電気自動車に充電システムとサービスを、商業、消費者、政府機関の顧客にはパワーサイクルとテストシステムを提供しています。
3位 クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ(組入比率6.1%)
米国の軍事ソリューション会社のクラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ(KTOS)が組入第3位となっています。
1995年に設立された会社で、当初は商業顧客に焦点を当てていましたが、現在は米連邦政府、州自治体、地方自治体へ防衛関連ソリューションの請負及びセキュリティーシステムの構築サービスを提供しています。
同社の無人システム部門では主に航空宇宙・防衛産業で幅広い用途に使用される無人システムを製造・開発しています。
ドローンはもともと軍事用途として普及していたこともあって、軍事関連企業の組入が多いですね。
組入2位と3位の「エアロバイロンメント」や「クラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティー・ソリューションズ」も軍事関連企業でしたが、他の上位10位の顔ぶれを見ても「レイセオンテクノロジー」や「ボーイング」「ロッキードマーチン」といった有名な軍事企業が名を連ねています。
設定来の運用成績
決算期(8月17日)における設定来の運用実績を紹介します。
基準価額 | 期中騰落率 | 純資産総額(百万円) | |
2018/12/3(設定日) | 10,000 | 300 | |
2019/8/19(1期) | 10,043 | 0.43% | 349 |
2020/8/17(2期) | 11,095 | 10.47% | 503 |

派手な上昇は見られないものの、徐々に基準価額と純資産は伸びていますね。
ただ、他のeMAXIS Neo シリーズと比較すると、純資産の規模は小さく、相対的にパフォーマンスもあまりよくありません。
【展望】ドローン市場は2025年に428億ドルに?
ドローン市場は2025年までに428億ドルに成長すると言われています。
ちなみに2020年は225億ドル生み出していたので、13.8%のCAGR(年平均成長率)で成長し、ほぼ2倍の規模になることが予想されています。
分野別でみると、商業用ドローン市場ではエネルギー分野が最大の産業であるものの、2025年までに運輸・倉庫業が引き続き最も急速な成長を遂げることが予想されているようです。(参照レポート)
まとめ:ドローンが身近になる日は近い?
以上、「eMAXIS Neo ドローン」の特徴や組入銘柄、運用成績等を紹介させていただきました。
現在だとドローンはたまに見かける程度ですが、今後も娯楽や商業分野での利用が注目されています。
まだまだ日常生活でドローンを見る機会は少ないですが、もしかしたらAmazonで頼んだ荷物をドローンが運んでくる…なんて日常があたり前になっているかもしれないですね。
ドローンに関する法整備は着実に進んでいますし、技術も進歩しているのでこれからも非常に楽しみなテーマだと感じました。
「ドローン関連の銘柄に投資したいけれど、個別株はちょっと怖い…」という方には「eMAXIS Neo ドローン」は向いているかもしれません。
「eMAXIS Neo ドローン」への投資を考えている方にとって、本記事を少しでも参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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