経済・投資理論

GPIFから学ぶ分散投資の意義

資産運用の世界では馴染みのある”分散”という言葉。

よく分散投資といったように使われていますが、意味合いとしては投資対象などを複数に分けて投資を行うということになります。

資産運用の世界には「卵を一つのかごに盛るな」という有名な諺もあるくらいです。

これは、卵を1つのかごに盛ってしまうと、そのかごを落とした場合にはその卵がすべて割れてしまうかもしれませんが、複数のかごに盛っておく(=分散投資)ことで1つのかごを落としてしまった場合でも他の卵は影響を受けずに済むということです。

このように資産運用において分散投資は非常に重要な考え方となります。

今回は”分散投資”をテーマに、我々の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から分散投資の意義について学んでいきたいと思います。

本記事で伝えたいこと

毎年どの資産が上がるのか当てることは難しい。資産についても分散投資を行うことによって、リスクを低減させることができ、機会損失を減らすこともできる。

こんな人におすすめ!!

・資産運用をはじめたい、はじめたばかり
・分散投資の意義について知りたい
・自分が取れるリスクについて考えたい

GPIFの分散投資

分散投資の基本的な考え方は、投資対象を複数に分けることによってリスクを低減させるということでした。

私も資産運用の軸となる部分で投資信託の積立を行っていますが、投資対象は日本、先進国、新興国といったように分散投資を心がけています。

分散投資のいいところは、既述のとおり、投資対象を複数に分けることによってリスクを低減させられることです。

ただ、投資の世界においてはリスクとリターンは相関しており、リスクに見合ったリターンしか得ることができません。

投資対象が新興国1つの場合だと、市場が大きく伸びれば大きなリターンを享受できますが、まさかの事態に陥ると大きな損失を被ります。(ハイリスク・ハイリターン)

日本国内、先進国、新興国と投資対象を幅広く持つことによって、それぞれに集中投資を行った場合よりも期待できるリターンは減ってしまいますが、その分リスクも低減することができます。

集中投資を行うか、分散投資を行うかは各々の状況(年齢や投資スタイルなど)に合わせて選別すべきということになります。(今回は広義の意味での集中投資、分散投資を用いています。)

私の場合、まだ20代前半ですのでよりリスクを取って高いリターンを期待するという集中投資でも問題はありませんが、リスクをある程度抑えて市場の平均に近い形でもリターンを得られれば十分と思っているので長期での分散投資を意識しています。

長期間かけて市場に居続けるということが一番重要だと思っているので、よりリスクを低くして市場に残り続けれるように長期分散投資に取り組んでいるといったところです。

では、我々の年金を運用しているGPIFはどのような分散投資を行っているのでしょうか。

GPIFのHP(https://www.gpif.go.jp/)より画像を拝借しました。

GPIFの基本ポートフォリオの考え方

〈画像元:年金積立金管理運用独立行政法人 基本ポートフォリオで定める資産構成割合〉

GPIFではリスク資産である株式が50%、比較的安全資産とされる債券が50%という内訳になっています。(あくまで目安)

もう少し詳細に分けるとリスク資産である株式のうち、国内株式が25%、海外株式が25%となっており、安全資産である債券は国内債券が35%、外国債券が15%となっております。

私は債券を取り入れた運用は行っていませんが、GPIFくらいの巨大な運用になればリスクを抑えることがより重要となってくるので、株式との相関性が若干低い債券が50%組み入れられているのは納得です。

こうして私の運用とGPIFの運用を比べると改めて示唆されることがあります。

それは、運用母体の属性によってリスクの取り方を変えたほうがいいということ。

GPIFは日本の年金を運用しており、なんと運用資産額は161兆7622億円。(2019年度第2四半期運用状況(速報)より)

そもそもの金額が大きいですし、我々日本国民の年金を運用している機関ですので、大きく減らすことは許されません。

ですので、より安全性の高い債券をポートフォリオに組み込むということによってリスクを抑える必要が出てきます。

GPIFは運用資産額が巨大すぎますが、お金持ちである人や高齢である人等はお金を増やすことよりも守ることの方が重要ですので、より安全性の高い分散投資を心がけた方がよさそうです。

一方、私のような20代はよりリスクを取った運用をすることができます。

私は分散投資で資産運用を行っていますが、GPIFのように債券をポートフォリオに組み入れてはいません。

若い人は集中投資によって最悪資産が大きく目減りしても今後の人生において修正はまだまだ効くと思います。

また、集中投資はハイリスク・ハイリターンではありますが、若いうちに資産を大きく増やすことができれば今後の人生において取れる選択肢がかなり広がります。

リスクリターンは表裏一体なので、どういう戦略で投資をするかは各々の状況によって委ねられますが、おおまかに自分はどれくらいのリスクを取ることができるのかどうか考えておくことは重要だと思います。

1位になる資産をあてることは難しい

前述しましたが、私は投信積立で日本株式、先進国株式、新興国株式と投資対象を分散し、さらに毎月積み立てるという時間の分散もしています。

私は20代なので、極端な話、もっとリスクを取った運用をすることも可能です。

なのに、なぜ投資対象を日本、先進国、新興国と広げているのか。

その1つの答えがGPIFのHPにあります。

毎年1位になる資産を当てるのはかなり難しい…

〈画像元:年金積立金管理運用独立行政法人 主要4資産と分散投資をした場合のリターンの推移〉

GPIFが投資している国内株式、海外株式、国内債券、海外債券と4資産を分散投資した場合の年別のリターンの推移になります。

この表の面白いところが、毎年最高リターンを出している資産は入れ替わりが激しいということ。

つまり、1位になる資産をあてることはとても難しいのです。

やっぱり運用ですので、毎年1位の資産クラスを当てて大きな運用益を得たいところですが、かなり難しいのです。

また、4資産を分散投資したものについてはだいたい真ん中の3位を取り続けています。

これまでにも述べてきた通り、分散によってリスクを低減して、平均的なリターンを享受しているということになります。

この図から私が注目したいのは、分散投資を行うことによってリスクの分散はもちろん、機会損失を減らすことにもつながるということです。

例えば、分散投資(広義の意味)をしておらず、日本株だけに投資をしていたと想定しましょう。

この場合ですと、日本特有の事由が起きた際に大きく変動する可能性があります。

また、米国や先進国、新興国といった外国の国の特有の事由があってそれら市場が大きく上昇した場合、機会を損失していることになります。(だいたい米国が上がれば、日本株は上がりますが(笑))

私が日本、先進国、新興国と投資対象を幅広くしているのは分散によってリスクを低減させたいということと、機会損失を回避したいからです。

先進国では、技術革新によって株式市場は今後も伸びる可能性がありますし、新興国は人口増によって経済成長が大いに期待できます。

日本もまたどうなるか分かりません。

長期的にどの市場が今後伸びるのかは予想が難しいですし、大方の予想が外れることもあります。

リターンは平均に近づきはするものの、そういう機会損失を極力減らし、リスクを抑えた長期投資を今後も継続してきたいと思っています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

分散投資の意義についてGPIFのHPを参考にざっくりながら紹介させていただきました。

分散投資は資産運用において基本的な考え方となり、リスクを減らすことができるので非常に重要です。

ただ、あまりに分散をし過ぎると平均的なリターンしか享受できなくなるので、注意も必要です。

国民の年金を運用している資産運用額161兆円のGPIFと20代前半の若造の比較も少し取り入れてみましたが、運用母体の属性によってリスクをどこまで抑えるべきかは変わってきます。

ぜひ、運用の際は、目的であったり、その目的のためにどのくらいのリスクを取れるのか、どのくらいのリターンが欲しいのかを考えながら運用をされてみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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