高校の授業などでもこれまで耳にはしていた”資本主義”という単語。
私は言葉では”資本主義”を知っていましたが、実際に資本主義の仕組みを理解できるようになったのは、大学3年生くらいの頃です。
資本主義の仕組みを初めて理解できた時、こんな感じで世の中はまわっていたのかと腑に落ちた記憶があります。
また、資本をうまく活用できればより大きなことにも挑戦できるし、資本主義には夢があるなと感じたものです。
今回はこの”資本主義”について、冨田和成さんの著書『資本主義ハック』を読んで、資本主義とどう向き合っていくべきかについて感想を交えながら紹介してきたいと思います。
金融資本も人的資本も時間を支配することで、リターンを最大化し加速度的に資本の規模を大きくしていこう。
・資本主義の仕組みについて知りたい
・資本主義社会とどう向き合っていくべきかについて知りたい
・資本主義社会において個人資産(金融資産、人的資本)を増やしたい
著者について
著者は、株式会社ZUU代表取締役の冨田和成さん。
一橋大学を卒業後に野村證券に入社し、野村證券で圧倒的なトップになっている営業マンです。
本社の富裕層向けプライベートバンキング業務には、最年少で従事されています。
野村證券退職後に金融経済メディアである株式会社ZUUを設立されているという方です。
私は冨田さんの著書はこれまでにも『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』、『鬼速PDCA』、『稼ぐ人が実践しているお金のPDCA』など3冊ほど読んだことがあり、本書が4冊目になります。
特に印象的だったのが『鬼速PDCA』で、冨田さん自身は常に仮説を立てて、小さなPDCAを高速に回しながら物事をなし遂げているという方だという印象です。
実際に株式会社ZUUも上場を果たしており、個人の金融資産も何十億と膨らんでいるそうですが、これらもすべては仮説のもとに狙って達成しているというのはかなり戦略的です。
冨田さんの著書を読むたびに毎回考え方や実績に圧倒されるので、この方こそ資本主義の本質を理解し、高速で資本を大きくされて大きなことをなし遂げていると感じます。
資本主義というゲーム
本書のタイトルは、”資本主義ハック”。
ハックという言葉の意味は、ルールを逆手に取ったり、その穴を突いて利用するということ。
本書では、資本主義をハックし、最短・最速・最効率でお金を増やすための考え方が紹介されています。
まず、資本についてですが、これは簡単に述べると価値を生む仕組みのことを言います。
町にある工場についても資本ですし、株(金融資本)もそう。また、私たち自身というのも仕事を通じて他の人や社会に価値を生む立派な資本(人的資本)です。
資本主義社会というのは、これらの資本が主軸となってお互いに自由に組み合わさり、さまざまな新しい商品が生み出され続けることに重きを置いた社会のことです。
このようにそれぞれの人に割り振られた資本という役割は価値を生み続け、成長し続けることを前提としているので、この資本主義社会でもっとも自由に、生き生きとして生活できるのは成長する人ということになります。
そして、資本主義の最大の魅力というのが、自分自身という「人的資本」だけでなく、株や債券といった「金融資本」、不動産や車などの「固定資本」、会社組織やビジネスアイデアといった「事業資本」まで、まわりにあるありとあらゆる資本をアイデアで組み合わせ、一人では到底成し得ないような金銭や幸福を実現できるという点にあります。
なので、わが国日本において自由に生きたいのであれば、今後「資本」を増やすことこそが非常に重要になってきます。
人生において自分の夢を実現することが最大のミッションであるとすれば、それを実現するためにお金はどうしても必要になります。
要するに日本という資本主義社会において、人生における最大のゲームをクリアするには個人資産を増やすというゲームから切り離された人はいないということです。
では、具体的に個人資産にはどのようなものがあるのでしょうか。
個人の資産形成という観点については、主に以下の4つの選択肢があります。
①人的資本
②金融資本
③固定資本
④事業資本
最終的にはこれらの4つの資本のうち複数を組み合わせることでより個人資産を増やしていくことができます。
ただ、自分にとって投資利益率(ROI)が1番高くなりそうな領域に投資することが重要になります。
なので、自分のミッション(方向性)を定めたうえで、その方向に向かっていくために最適な戦略をとっていく必要があります。
戦略の取り方は人それぞれですが、資本主義というゲームは戦略次第で攻略ができるということです。
これら4つの資本についての考え方や攻略法については本書に詳しく書かれておりますので、ぜひ興味を持たれた方は本書を読んでみられてください。
当ブログでは、金融資産形成と人的資本形成の観点から資産形成について情報を発信していますので、以降では4つの資本のうち人的資本と金融資本について絞って紹介していきます。
時間をいかに支配するか
人的資本と金融資本について資本を増やすために取れる戦略は様々です。
ただ、人的資本も金融資本においても共通して重要なのが、時間をいかに支配するかということ。
この時間を支配できるかどうかがリターンを最大化して加速度的に資本の規模を大きくしていくための鍵になります。
本書に記載されている資本とリターンの関係は次の計算式になります。
資本の大きさ×利回り×時間=リターン
人的資本
人的資本において、資本の大きさをはかるのは難しいかもしれないが、簡単な例を用いるとすればその人の生産性が挙げられます。
スキルや経験、専門性が高い人ほど、この資本の大きさ(=ここでは生産性)が大きくなるので、他の一般的な人よりも高いリターンを生み出すことができます。
仮にAさんとBさんという人がいて、Aさんの生産性がBさんの5倍あるとすれば、同じ時間を費やした場合、リターンの差は5倍になります。
また、Aさんが仮に2時間しか時間を費やせなかったとした場合、資本の大きさで劣るBさんがAさんと同じリターンを生み出すには10時間必要となります。
これは同じ10のものを生産するという場合において、Aさんは余計に8時間を自由に使えるということでもあります。
この8時間については、自分の好きなことに時間を費やせますし、また自身の知識・スキルを高める時間に再投資することもできます。
また、別の見方として長い人生を軸として考える(時間軸を長く捉える)とより若い時から人的資本を高める「知識・スキル」、「信用・ブランド」、「人脈・ネットワーク」を厚くすることに取り組んでいると生涯のリターンに大きく差が出るという見方もできます。
個人がお金を得る手段が複線化していくこれからの時代は、人的資本への投資(量×質)は生涯リターンに対してより顕著に表れるようになってくると思います。
金融資本
金融資本についても同じことが言えます。
先ほどの計算式をもう一度出しますね。
資本の大きさ×利回り×時間=リターン
人的資本の場合、少し分かりにくかったかもしれませんが、株で考えてもらえるとこの数式というのはより理解してもらいやすいかなと思います。
例えば、1000万円の株を持っていることを想像してみてください。(1000万円分の株ほしい(笑))
この株が1年間に3%分の配当を出すとしたら、1年間持った場合のリターンは、1000万円(資本の大きさ)×3%(利回り)×1(時間)=30万円となります。
なので、2年持つと60万円のリターンになり、3年持つと90万円のリターンになります。(配当金再投資は考慮してません。)
金融資産においても生涯のリターンで見た場合、時間を大きく支配できた方がトータルでのリターンは大きくなります。
これは、言い換えるとより若いうちから金融資本市場に参入すべきということにもなります。
上記の計算例はある一定の資本があった場合に時間が取れるほどより多くの配当(リターン)が、得られるということでしたが、他にも時間を支配することによって得られるメリットはあります。
それは長期投資ができるということです。
長期投資の強みは、なんといっても期限を切らないために予測精度が一気に高くなるということです。
金融市場は上下を繰り返しながらも確実に膨張していくというのが、資本主義のマジックです。
短期投資であれば、予測不能な様々な動きがあり惑わされることもあるかもしれませんが、長期投資であれば一定の経済学の基本ルールに沿って動くのでより理論値に近いリターンを享受することが可能です。
これは完全に持論ですが、若いうちから1日でも早く投資を行い、配当金などを再投資して長期投資に励むというのが一番最強だと思います。(笑)
おわりに
いかがでしたでしょうか。
私はこの本を読んで、希望に満ち溢れました。
まだ、大した人的資本も金融資本もない25歳の若造ですが、この資本主義社会において資本を蓄積し、うまく資本を活用していけば自由に近づくことができるのではないかとワクワクしました。
まだまだ道のりは遠すぎるものの、少しでも自由に近づき、自分の夢を達成できるように資本主義をハックし、人生というゲームをクリアしたいと思いました。(人生にクリアはないと思うけど(笑))
最後までご覧いただき、ありがとうございました。