本記事では、20代から資産形成をはじめる最大の強みである”時間の支配”について取り上げていきます。
時間は誰しもが平等に与えられている貴重な資源です。
貴重かつ有限であるため、優れた経営者ほど”時間”を大切にしている印象を受けます。
日々の仕事や日常生活においても時間はかなり大切ですが、資産形成においても時間の使い方(時間の支配)はかなり重要だと思っています。
資産形成において時間を長くとればとるほど複利の効果を最大限に発揮できるからです。
本記事では、シュミレーションをもとに資産形成における時間の威力を伝えていきたいと思います。
より若い時に資産形成の公式を最適化すればするほど、時間を長く支配することができます。
できるだけ早い段階から資産形成の公式を最大化していきましょう。
・資産形成に取り組む若者
・長期的な資産形成に取り組んでいる人
・時間と複利の効果を具体的に数字で知りたい人
20代から資産形成を始める最大の強みはより多くの時間を支配できること。
{収入-支出+(資産×運用利回り)}×時間をできるだけ若いうちから最適化・最大化しよう!!
Contents
20代はより多くの時間を支配できる

20代から資産形成に取り組むことの最大のメリットは、より多くの時間を支配できるということです。
早く始めた分だけより多くの時間を味方につけることができます。
ところで、資産形成における重要な公式はご存知でしょうか?
資産形成=収入-支出+(資産×運用利回り)
資産形成を最大化するには収入を増やし、支出を減らし、余剰資金を投資にまわして運用利回りを上げることが大切ということを意味しています。
資産形成に取り組む人にとって誰にでも当てはまる重要な公式ですが、この式は時間軸が単年になっています。
より長期的な資産形成に取り組むのであれば、先ほどの式に時間が掛け合わさります。
資産形成(長期)={収入-支出+(資産×運用利回り)}×時間
長期的な資産形成においてはこの”時間”が最も重要な要素となります。
そして、冒頭でもお伝えのとおり、若ければ若いほどより多くの時間を味方につけることができるのです。
資産形成のゴールも人それぞれですが、仮に60歳を資産形成のゴールと定めると20歳の人であれば40年、30歳の人であれば30年、40歳の人であれば20年の時間を使えるということです。
20代で資産形成に取り組む人は世間的にはまだ少ないですが、既に20代で資産形成に取り組んでいる人は時間をより長く味方につけられる分強いと思います。
この時間を支配することの威力についてはのちほど紹介していきます。
資産形成の式を最適化する
20代といった若い時期から資産形成に取り組むことによってより多くの時間を味方につけられるということについては既に述べたとおりです。
ただ、せっかく多くの時間を支配することができても、収入が少なく、支出が多く、投資にお金が回せないという状況であれば時間の力を借りたとしても大きくお金を増やすことは難しいです。
ですので、早いうちから自分に無理のない範囲で資産形成の公式を最適化していく必要があります。
前述の資産形成の公式について①収入、②支出、③投資の3つに分解しながら説明していきたいと思います。
①収入を上げる
収入を上げることはなかなか難しいですが、収入が増えれば資産形成がより加速していきます。
収入を上げる手段としては、本業での昇給、副業、投資(不動産を含む)による不労所得などが挙げられます。
方法は様々ありますが、簡単に収入を増やすことのできるメルカリを例にとって収入を増やすことの長期的な価値について説明していきたいと思います。
ちなみに私は学生時代よりメルカリを愛用していて、不用品の売却だけで年間5万円程度の副収入を得ています。
仮に今後もメルカリから毎年5万円の副収入を40年間得ることができれば、累計で200万円になります。
メルカリを例にとってみましたが、不用品をそのまま捨てたり、押し入れにいれて放置したまま今後40年間を過ごしたと仮定するとかなり大きな差が生じます。
あくまでメルカリの年間5万円の副収入を例にしましたが、副業などでより稼げるようになると時間とともに生み出す金額はさらに大きくなります。
②支出を減らす
収入を上げることは相応の努力が必要ですが、支出は簡単に減らせて効果も大きいです。
中でも固定費の削減の効果は絶大です。
私も社会人1年目時代は無駄な固定費が多かったものの、社会人2年目から格安SIMを導入したり、外貨建て生命保険を解約することによって月の支出を大幅に減らすことができました。
節約をすることは重要ですが、無理しすぎると続きませんし、食費を削りすぎて健康を損なうというレベルまでいくとあまりよいとは言えません。
重要なのは若いうちから無理のない範囲で固定費の見直しを行うことだと思います。
ここでは、格安SIMの導入による長期的な資産形成における固定費削減の効果について注目してみたいと思います。
私の場合、大手キャリアから格安SIMに変更することによって月5000円の固定費を削減することができました。
では、今後40年間、大手キャリアのまま契約を継続した場合と格安SIMに変更した場合でどれだけの差が生じるのでしょうか。
1年間で6万円支出を減らすことになるので、40年という長期スパンで考えると240万円の支出を減らすことができます。
あくまで一例ですが、固定費も若いうちから見直すことができれば効果はかなり大きいです。
私の場合ですが、格安SIMに変更したのは別に通信量とかがそんなに必要がなかったからです。
固定費の見直しの対象は人によって必要性が違ってくると思うので、もし毎月支払っているもので必要がなさそうなものは見直されてみてはいかがでしょうか。
③余剰資金を投資にまわし、運用利回りを上げる
収入を増やして、支出を減らすことができれば、より多くの余剰資金が生まれます。
この余剰資金を投資にまわすことによって、お金を増やしていきましょう。
運用という面においても時間は複利によってとてつもない力を発揮してくれます。
FPのパーソナルファイナンス分野でお馴染みの現在価値(PV)と将来価値(FV)の概念を使って説明します。
現在価値(PV)…将来価値を一定の割引率(現金の時間的価値)を使って、現在時点まで割り戻した価値。
将来価値(FV)…現在の対象となるもの(企業価値や金融商品など)の貨幣価値が将来いくらになっているかを算出したもの。
実際に具体的に数字を使って説明します。
米国の株式利回りは平均でだいたい6~7%と言われています。
不確実性の高い株式市場なので、今後も同じ利回りを得られるかどうかは分かりませんが、現在10,000円を投資して年利6%で40年間運用したとすると、102,857円となります。
この102,857円が現在の10,000円を年利6%で40年間運用した場合の将来価値ということになります。
逆に今後40年間年利6%で運用できる場合、40年後の102,857円を現在価値になおすと10,000円になります。
今後40年間において平均6%で運用することができれば、投資した10,000円は40年後の102,857円と同じ価値になるということなので、時間×複利の効果はとてつもなく大きいです。
同じ年利6%で10,000円を投資するとしても取れる時間軸によって将来価値は変わってきます。
20年の場合、現在投資する10,000円の将来価値は、32,071円です。
60年の場合、現在投資する10,000円の将来価値は、329,877円になります。
運用利回りが同じであることが前提となりますが、時間を長く支配できるほど将来的な価値は大きくなります。
シュミレーション
では、簡単なケースでシュミレーションしてみたいと思います。
デフォルトを社会人1年目23歳、計算の都合上収入と支出がこれまで同じ(=収支が0)だったとします。
資産形成のゴールを40年後の63歳としましょう。
資産形成の公式を最適化していくかどうかで40年後の資産額が大きく変わります。
パターン①資産形成に取り組まず、収支を今後40年間見直さなかった場合
極端な例ですが、今後40年間にわたって、稼いだ分を使うというスタイルです。
この場合の40年後の資産は0(0×40)です。
パターン②収入-支出で毎年110,000円の余剰資金を生み出し、貯蓄に励む場合
ここからは、資産形成に取り組む事例で考えます。
23歳社会人1年目からメルカリで不用品を売却して年間で収入を50,000円上げ、格安SIMの導入によって年間支出を60,000円削減し、余剰資金を年間110,000円生み出すことを想定します。
収入と支出の改善を行うことによって年間110,000円の貯蓄を行うことができます。
貯蓄にしてしまうと時間×複利の効果は得られませんが、毎年110,000円を40年間も続ければ40年後には4,400,000円貯まることになります。(厳密にいうとちょっと利息がつく)
自身に負担がない程度でこれだけ貯めることができるのはかなり大きいと思います。
パターン③{収入-支出+(資産×運用利回り)}×時間を活用
収入-支出で毎年110,000円の余剰資金を生み出すのはパターン②と同じ条件ですが、これらの余剰資金を米国株式の平均利回り6%で40年間投資にまわしたとします。(あくまで今後も同じ条件で運用できるかは不確実です。)
実際の相場では、年によって20%上昇するような年もあれば、-10%下落するようなときもあり、8%上昇する時もあって、あくまで過去の市場年平均利回りが6%ということになります。
今回のシュミレーションでは計算の都合上、年度末の資産残高に対して年利で6%分資産が増えていくように計算しています。
なんと、この計算では40年後の資産残高は18,045,245円となります。
不確実性の高い株式市場においてただ米国の年平均利回りで40年間運用した設定なので、保証できる数字ではありませんが貯蓄だけの場合と比べても大きく増えていることが分かると思います。
仮に年利を3%で40年間運用した場合は、40年後の資産残高は8,542,963円となります。
年利3%は比較的実現可能な数字ですが、これでも貯蓄の場合より約2倍くらい資産が増えることになるので、時間×複利の効果は侮れません。

上記3パターンでシュミレーションをした通り、理想は収入-支出を最大化し、余剰資金を投資に回すことです。
そこで、{収入-支出+(資産×運用利回り)}を先ほどと同条件(毎年の余剰資金=110,000円、毎年運用利回り6%でまわす)で考えた場合、取れる時間によってどれほど効果に差が出るのかについて検証してみました。
結果をまとめた表がこちらです。

上記の表を見ていただけると一目瞭然ですが、やはり資産形成において時間を長く支配できるほど、将来の資産額は大きくなっていきます。
特に倍数(資産額/投資金額)に着目していただきたいのですが、期間を長くすることで倍数の伸びがかなり大きくなります。
これが、時間×複利の最大の効果です。
ぜひ、若いうちから資産形成の公式を最大化し、より長い時間を支配して長期的な資産形成に取り組んでいきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
{収入-支出+(資産×運用利回り)}×時間の式を意識して、少しでも改善を行うことによって数十年後に大きな差が表れることがお分かりいただけたと思います。
もちろん、資産形成をやるうえでは、何のためにやるのか目的を持つことが非常に重要ですし、無理のない程度で資産形成の式を最大化することが重要です。
今よりも少しでもお金を増やしたいのであれば、何か収入源を少しでも増やせる方法はないか探ってみたり、固定費をどこか見直すことができないかどうか考えてみるのも有効だと思います。
また、FIREや経済的自立を目標にするのであれば、より{収入-支出+(資産×運用利回り)}×時間を最大化する取り組みが必要です。
1年でも早く、より多くの資金を投資にまわすことで、その分の貯まるスピードが加速します。
自分の目的と照らしあわせたうえで、最適な資産形成に取り組んでいきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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